今月のおすすめ本

きっといます。あなたのそばにも・・・

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 教師の私が寄宿舎近くの岸辺で出会ったのは、ふわふわの毛につつまれたハリネズミのような生き物〝ヤービ〟。
 私とヤービはミルクキャンディーをきっかけに信頼し合う関係になり、彼から両親と木の穴の家で暮らしていることや、ミノムシのコートをきてキジバトにのって飛んだり、チョウやキノコを観察して図鑑を作ろうとしているなどの、いきいきとした暮らしぶりを聞きだします。
 しかし彼らの暮らしは人間の手により脅かされはじめ、ヤービたちは岸辺に残るか、新天地を目指すか、苦渋の選択を迫られることになります。
 物語の読者は、ヤービたちの暮らしをスノードームをのぞくように読み始めて、いつのまにか一緒に岸辺の冒険にこぎ出していることでしょう。
小さなお子さんには、おとなが少しずつ読み聞かせてあげてください。




今こそ、言葉を信じて!


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 ひょんなことから、うた部(短歌)に入部する事になった高1の桃子。
 個性的な先輩たちに振り回されながらも、彼らの短歌にかける情熱にふれることで〝うたう〟ことに喜びをみつけた彼女。それ以来、熱心に部活に参加しはじめます。
 しかし部員たちは桃子の不自然な態度から、彼女が親友の綾美以外には友人をつくらず、ひきこもって暴言を吐き家族に暴力を振るう綾美と、互いに傷つけあう日々を送っていることを知るのでした。そこで部員たちは彼女たちに寄り添い、少しずつ二人のかたくなな心を解き放っていくことに...。
 ユーモアあふれる文章を得意とする作者の筆は、重いテーマを笑いで包み、全ての登場人物が生き生きと躍動します。読み終えた後は、「五・七」で言葉を紡いでいる自分に会えるかもしれません。




紹介者 : 栗東市立図書館
       西村貴代美さん