2016年7月アーカイブ

今月のおすすめ本


0730book01.jpg

読める喜び、書ける喜

 子どもの頃、貧しくて学校に行けなかったおばあちゃん。読み書きができないまま生きてきて、ずっと苦労していました。
メニューが読めなくて、外食をあきらめた。値段が読めないから、いつもお札で支払う。自分の名前が書けなくて、銀行でお金を下ろせなかった...。そんなおばあちゃんに、孫が識字学級を勧めてくれました。
 病院で初めて自力で書いた名前を、看護師さんがちゃんと読んでくれた時の喜び。「うれしくてびょうきもなおりました」。駅で人の悪口を書いた落書きを見て「びっくりして はらたってなみだがでました」。
 60歳を過ぎてようやく覚えたひらがなでつづる日記は、私たちに読めること、文字を書けることの大切さを強烈に突きつけます。
 実在する大正生まれのおばあちゃんを主人公に、苦労をものともせずユーモラスに生きる姿を描く関西弁の絵本。




0730book02.jpgあなたにとって、家とは何ですか?

 家を手に入れるには、数千万円のローンを組むことが普通の時代。人間の生活に欠かせないはずの家の入手が、なぜこれほど困難になったのか。
 モバイルハウスとは著者の坂口さんが名付けた、土地に定着していない移動式の家のこと。車輪がついて移動可能な家は、法律上は家ではないので免許がなくても建てられ、固定資産税も不要。
 川沿いに並ぶブルーシートハウスに建築物として興味を持った坂口さんは、路上生活者からノウハウを学び、ホームセンターで買った材料と、廃材で約3畳大のモバイルハウスを作った。費用はたった3万円足らず。
 ガスや水道はないが、ソーラーパネルで扇風機やパソコンも使える。郵便もピザも届く。3万円の家でも快適に過ごせるではないか...。
 土地とは何か、家とは何か、人々が忘れてしまっている「家」の根源的な在り方をもう一度考え直す一冊。



紹介者:栗東市立図書館/吉川しのぶさん(こども本・おとな本)