今月のおすすめ本

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このなぞ解ける? 手がかりは絵の中に

 ラッパを吹くリーダーのフェリックス、頭の回転のはやい女の子アデーレ、甘いお菓子が大好きなロロ、さいごにキキと、キキがいつも連れているリス。この4人と1匹が正義の味方「くろて団」のメンバー。好奇心旺盛な彼らは、小さな「なぞ」を一つ一つ追いかけるうちに、大きな事件を解決に導いていく...。
 「くろて団」の冒険物語を読みながら、読者もクイズ形式でなぞ解きを楽しめるようになっています。事件の手がかりは絵の中に隠されていますので、彼らと一緒に答えを探してみてください! きっと彼らの推理力と観察力の高さに驚かされるはずです。
この本の作者ハンス・ユルゲン・プレスの息子ユリアン・プレスが、父の作風を受け継いで発表した『くろぐみ団は名探偵』シリーズも出版されていますので、そちらもぜひお楽しみください。


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生きることいとおしむこと、物語にのせて


 冒頭、大学生のゆきなが兄の部屋で本を読んでいると、その兄本人がいきなり部屋に入ってくる。驚愕(がく)するゆきな。いつものように、イケメンで、読書家で、料理上手な「お兄ちゃん」。しかし、ゆきなと「お兄ちゃん」は、二度と会うはずではなかった。
 そうした「お兄ちゃん」とのたわいもない日常、優しい香月君との恋、それは当たり前のように思えて、絶対ではなかった。ゆきなは生きていく上で「失う」ことの痛みを身をもって知ることになる。
 サリンジャーの名作を思い起こさせるタイトルです。その名の通り、この小説を構成する9章には9つの物語のタイトルが付けられ、各話に重要な意味をもたらします。大きな出来事を乗り越え、一回り強くなったゆきなが最後に語る「小説」というものへの思いが、本を読むことのすべてを語っている気がします



紹介者:野洲図書館/梅原彩花さん(こども本)・大﨑優美さん(おとな本)