スマホやパソコン作業〝デジタル漬け〟から目を守るには
ふと鏡を見て、「あれっ、昔より頬や目元がたるんでいる?」と感じたことはありませんか。それ、〝ブルドッグ顔〟というものかもしれません。それ以上進行させないためにどうすればよいか、そもそもどんな理由でたるむのかを専門家に聞いてみました。たるんで見せないメイク術も紹介しています。
日常のこんな行動がたるみの原因に
加齢や紫外線など複数の要因が
教えてくれた人
すなおクリニック 土屋沙緒さん
〝たるむ”という現象が起きるのは、なぜなのでしょうか。すなおクリニックの土屋沙緒(すなお)さんによると、「加齢で、脂肪や皮膚を支えている靭帯(じんたい)が弱くなることが原因の一つ。顔についている脂肪が支えきれず垂れ下がってしまいます。下まぶたであれば、目の下の脂肪を包む〝がんか隔膜”がゆるんできて、目袋が目立つことに」とのこと。
20代以降から徐々に加齢による影響が出始め、目に見えて感じるのは40代以降なのだとか。このほかにも、原因は複数あるといいます。
「一つは紫外線A波。皮膚の深いところに到達して、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンを減少させることで、ハリが保てなくなりたるみを進行させます。慢性的な皮膚の炎症があることも顔、特にまぶたのハリの維持に悪影響を及ぼします。また、顔全体の脂肪が減少することにより余った皮膚がたるむことも。顔の骨も年を重ねることで萎縮してくるため、脂肪と皮膚とのバランスが崩れてきてたるむと考えられます」複数の要因で肌のたるみが生まれているのですね。
たるみを予防するためにどんなことをすればいいのか、日常生活で気を付けること、スキンケアの方法、トレーニングを各専門家に聞きました。
適度な運動やバランスの良い食事を
「まずは、紫外線を避けること。一般的に1日20分の日光浴が必要といわれていますが、これは普通に生活をしていたら自然と浴びる量です。普段は日傘や日焼け止めで対策を。そして実はスマートフォンやパソコンのブルーライトも紫外線と同じく悪影響。遮断するシートを貼ったり、見すぎないようにしてください」と土屋さん。健康的な生活を送ることも重要といいます。
「体のすみずみまで栄養を運ぶために適度な運動を。目安としては週2回か3回、30分の有酸素運動を取り入れましょう。運動不足は組織の老化を進めますし、老化した組織はたるみやすくなります。太ったり痩せたりを繰り返さないこと、むくみの原因となる過度な飲酒や塩分を控えることもポイント。体重変動やむくみが、皮膚が余ることにつながります」
むくまないためには、炭水化物ばかりを食べたり、逆に抜いたりといった栄養の偏った食事を避けてバランスの良い食事にすること、自分に合う枕を選ぶこと、肩こりや首のこりは温めてほぐすことも大切なのだとか。
「強すぎるマッサージや目元をこする行為はNG。まつげエクステやアイテープなど炎症をもたらすような行為にも注意が必要です」
毎日継続することが大切。ゆっくりと行います
教えてくれた人
美容医学研究所ソシエテビザージュ認定講師 表情筋トレーナー 山本春美さん
表情筋トレーナーの山本春美さんによると、「表情筋は使わないと衰え、皮膚とともに下がります。無表情でいることが多い人は要注意です」。
トレーニングのコツは「全体を鍛えるために、ゆっくりと行うこと。動作が速すぎると一部の筋肉しか動きません。また、眉間にしわを寄せるなど余分なところに力を入れないように、鏡を見ながら正しい位置を意識して行ってください。習慣化させて毎日続けるのが大事。筋肉を鍛えると、血流がよくなり、皮膚の弾力を取り戻すことにもつながります」。
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ほうれい線や頬のこわばりの対策
目尻の少し下から上唇に向かって斜めに伸びる小頬骨筋(しょうきょうこつきん)を鍛えます。
- 唇を軽く閉じ、口角を5秒で引き上げて笑顔をつくる
- 左の口角を元に戻しながら、右の口角を引き上げる
- 右の口角を引き上げたまま右目をゆっくり閉じ5秒数えたら、顔を自然な状態に戻す
- 逆も【1】~【3】を同様に行う。交互に3回繰り返す
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下まぶたの垂れ下がりの対策
目の下にある下眼けんに働きかけます。
- 口を軽く開けて鼻の下を伸ばす。あごを引いてできるだけ上を見る
- 下まぶたを5秒かけて引き上げ(まぶしい目をするイメージ)、そのまま5秒キープしたら、元の状態に戻す
- 【1】【2】を3回繰り返す
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二重あご、フェースラインの崩れの対策
二腹筋と呼ばれる、あごの先から耳の付け根までフェースラインに沿ってつく筋肉の引き締めに。
- 姿勢を正し、上を向く(無理のないよう、できる範囲でOK)
- 口を軽くあけ、横にゆっくり引いていく。引ききったところでキープして、5秒数える
- 口を閉じて元の状態に戻す。ここまでを3回繰り返す