ロクハ公園で。
若松英輔/著 亜紀書房(1200円・税別)
無理をして読まなくていい。
このコラムに目を通される方は、きっと読書が好きな方々と思われます。この本の著者も読書を楽しみとしていました。けれどその昔、本が「読めなくなった」と感じた時期があったそうです。
文字を目で追うことはできる、内容も理解できる、でも「読んでいる」手応えがない。連絡した相手から返事がこない、そんな寂しさを感じたそうです。その経験をふまえ、本著では「読むとはどういうことか」を考察し、本へのアプローチについてさまざまな視点を提言しておられます。
「読めない」原因は人それぞれです。しかしそれらは皆、あとがきの「本を読むことが、よろこびではなくなった」という一文に、集約されるのではないでしょうか。
もしそうなってしまったら、この本を思い出してください。そして著者も言うように、図書館にも相談してみてくださいね。
紹介者:栗東市立図書館/清水優さん
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