お一人様OK!ワンコインの日替わり定食「おうちの味ひじ家」
きび糖やてんさい糖など、〝砂糖〟にもさまざまな種類があるのを知っていますか。専門家にその特徴や、おすすめの使い方を聞きました。
撮影/武甕育子ほか イラスト/フジー 記事提供/京都リビング新聞社
こんなにたくさん! 日本特有の種類も
「世界で砂糖といえば〝グラニュー糖〟を指します」と教えてくれたのは、同志社女子大学生活科学部食物栄養科学科教授の村上恵さんです。
日本だと、家庭で一般的に使われているのは〝上白糖〟。これは「精製したグラニュー糖に転化糖液をまとわせた、日本特有の砂糖。しっとりしているのが特徴です」
〝和三盆糖〟も日本特有。こちらはサトウキビの絞り汁から手作業で水分を抜き、台の上で結晶を研いで作られているのだとか。
樹液から作られる〝メープルシロップ〟も砂糖の一種。〝黒糖〟はサトウキビの絞り汁を煮詰めて固めたものです。褐色の〝三温糖〟は糖液を煮詰める過程でカラメル化したもの。〝中ザラ糖〟は表面にカラメルをかけているので、黄褐色に着色しています。
作り方で栄養にも違いが
最近はスーパーでも目にする機会が増えた〝きび糖〟や〝てんさい糖〟。健康を意識する人からも注目されています。
「これらはサトウキビやテンサイといった原材料の風味や栄養が残っている〝含蜜糖(がんみつとう)〟の一種。黒糖に近い砂糖です」と、村上さん。
「砂糖には大きく分けて、原材料の絞り汁を煮詰めて作る〝含蜜糖〟と、不純物を取り除き無色透明になった〝分蜜糖(ぶんみつとう)〟があります。含蜜糖はミネラル・カリウムなどの栄養があり、独特の風味や色があります。
特に、てんさい糖は腸内でビフィズス菌などの善玉菌の栄養となる、オリゴ糖が含まれています。整腸作用が期待できるため、ヨーグルトやコーヒーに加えてもいいですね」
砂糖を食生活に取り入れる目安も教えてもらいました。
「砂糖の主成分であるショ糖には、脳のエネルギー源となるブドウ糖が含まれます。疲れたときに甘いものが良いとされるのもこうした理由から。WHO(世界保健機関)が定める1日の摂取目安は小さじ6〜12杯(約25〜50g)です。
どの種類も100gあたりのエネルギー量は350〜390kcalと、大きな差はありません。風味の違いがあるので、自分好みのものを取り入れて楽しんで」
- 教えてくれたのは
- 同志社女子大学 生活科学部食物栄養科学科 教授
村上恵さん