街と山のあいだ
●ふじもとのりこ/作・絵 鈴木出版(1320円)
いい匂いまでしてきそう!
初詣やお祭りに出かけ、ずらり並んだ屋台に目移りしながらそぞろ歩く。昨今のコロナ禍では、中止されたり縮小されたりと、そんな光景をなかなか見かけられなくなったのはしかたがありませんが、絵本の中でなら楽しむことができます。
手も口もベタベタにしながらほおばるりんごあめ、シロップの味に迷ってしまうかき氷、いつまでも作るところを見ていたいわたあめ、どうしても我慢できないソースの香りのお好み焼き。どれもこれも本当においしそうに描かれていて、お店の様子や威勢のいい売り文句からは、屋台の熱気までもが伝わってくるようです。
食いしん坊な子どもなら、思わず「あーん」と大きな口を開けてしまいそう。お祭り大好きな大人の私は、あの喧騒と高揚感が恋しくてたまりません。
紹介者:草津市立図書館/大西協子さん
タグ: