ハンドメイドに万歳!
人生の終わりのための活動、「終活」。実際どのくらいの人がどんなことをしているのでしょう。3人のリアルな終活を紹介するとともに、プロにコメントをもらいました。イラスト/オカモトチアキ 記事提供/京都リビング新聞社
家族と自分のために
終活、というと高齢者が行うもの、というイメージを持つ人もいるのでは。しかし、リビング読者にアンケートを取ると、20代でも約1割が「行っている」という結果に。年齢が上がるにつれその割合は増加。
内容としては、「私物など身辺を整理する」「財産の情報をまとめる」「今後のライフプランを考える」などが上位になりました(上表参照)。
終活を行う理由で最も多かったのが、「家族に迷惑をかけたくない」。終活カウンセラーの小笹美和さんは、「それも大切ですが、まず自分のために終活はあります。資産や人間関係などを整理することで、今後の人生を自分らしく生きられるのです」と話します。
年代や環境の違う3人の読者の終活を取材しました。
- 夫・子どもありさだひろさん
30歳から書き始めたエンディングノート
人間関係を見直すきっかけにも
終活のすべては1冊のエンディングノートにまとめている、というさだひろさん。書き始めたのは30歳から。
「当時メディアでよく目にしていたんです。まだ独身だったので、自分に何かあったとき資産などを親が把握できるように、と考えました」
現在は結婚し、幼い子どもが3人。末子の出産が帝王切開と決まったとき、万が一のことがあっても困らないようにと、夫にノートの存在を知らせました。「夫婦でも互いの資産などを知らないこともありますしね」
預金口座や暗証番号、証券、保険、メールアドレスなどのほか、葬儀の希望やもしものとき知らせてほしい友人リストも記入しているそう。「2、3年ごとにリストを見直していると、本当に付き合っていきたい人は意外と少ないことに気が付きました」
夫や親に向け、普段はなかなか口に出せない感謝の言葉などのメッセージも書いているとか。
「伝えたいことは文章に残す方が確実なので。
エンディングノートは終活だけではなく、例えば自分が入院したとき夫が保険の内容を確認する、といった場合にも便利だと思います。
今後は家族の状況の変化に合わせて、その都度やるべき終活を考えていきたいです」
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上級相続診断士・終活カウンセラー1級
小笹 美和さん
(ここはーと相続事務所 代表)
小笹さんより
若い世代もぜひノートの活用を
若い人ほどネット証券やネットバンクなどの利用が多く、突然亡くなると財産の詳細がわからなくなることも。エンディングノートで情報をまとめておくと遺族の助けになります。誕生日や年末など更新日を決めておくのがおすすめ。大切な人へのメッセージを書くのも、まねしたいポイントです。葬儀や墓の希望については、その理由も記しておくといいですね。