小さな楽しみは日々の暮らしの中に
近頃、よく問題になるのがインターネットリテラシー(※)。SNSや動画サイトへの投稿などがきっかけで、思いがけず加害者になっていることがあるかもしれません。いま一度、インターネットとの付き合い方を見直してみませんか。
※インターネットを正しく使いこなすための知識や能力
イラスト/松元まり子 記事提供/京都リビング新聞社
投稿しているイラストや写真の著作権は誰のもの?
今やスマートフォン一つで、簡単にインターネット上の情報が得られたり、SNSに手軽に自分の意見を発信できる時代。便利な一方で、著作権侵害、誹謗(ひぼう)中傷、フェイクニュースといった、さまざまなトラブルが起きています。
立命館大学 産業社会学部 社会学研究科教授・浪田陽子さんに、加害者にならないための注意点を聞きました。
まずは著作権侵害について。「自分が作ったり、書いたり、撮影したりしたもの以外は、全て他人の作品。無断でSNSなどに投稿・転載するのは著作権侵害となります」と浪田さん。
「自分で撮った写真や動画でも、他人や建築物が写っていれば違法になることが。皆さんが思っている以上に法律は複雑で、実は無断でオンライン上に公開していいものはほとんどないんです。著作権者が黙認しているだけで、いつ訴えられてもおかしくないケースはよく見かけます。
そして法を犯す危険があるのはもちろん、他人の作品を許可なく使うのは倫理的に良くないことですよね」
自分の作品が知らない間に使われていたら…、と想像してみることが大事ですね。
テレビ番組などの画像をSNSに投稿
出典を明記しても、テレビ番組、漫画、新聞記事などの画像を無断で公開するのは違法。使用したい場合は著作権者に許可を取る必要があります。好きな作品・有名人を応援するなら、公式アカウントの投稿をリツイート・シェア(※)するなどの方法で。
※他の人の投稿を再投稿して共有すること
ホームページの画像を転載
企業などのホームページ画像を勝手にSNSにアップするのはNG。代わりにURLを記載するなどしましょう。また、他人が投稿した画像・文章の無断転載も違法。無断転載された投稿はリツイート・シェアしないようにも注意を。
ゲームの実況動画を公開
著作権者の許可がある場合に限り、ゲーム実況の動画を公開してもOK。ホームページでガイドラインを設定しているゲーム会社もあるので要確認。
ファスト映画を作成して公開
ファスト映画とは、映画の映像や静止画を無断で使い、ストーリーが分かるようにナレーションや字幕を付けた10分程度の違法動画のこと。動画投稿者に対し、映画会社などが5億円の賠償請求を行ったケースもあります。
他人のイラストを無断で
自分のSNSのアイコンに
他人のイラストなどは利用許可があるもの以外、LINE(ライン)、Twitter(ツイッター)といったSNSのアイコンに使うのはアウト。キャラクターや芸能人などの画像を使用している場合は、許可されているものか見直して。