草津市★「もちノ木」でもちもちドーナツ
秋の果物の代表格といえば柿。あまり知られていませんが、実は滋賀にも柿の産地があるんです。味や食感もさまざまな「ザ・日本の秋」の魅力を、産地の人たちに聞きました。
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- 平核無(ひらたねなし)
- 種がなく食べやすい人気者。渋抜きして出荷される。平たく四角い形。マンゴーのようなねっとり食感
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- 太秋(たいしゅう)
- 高級柿として近年人気上昇中の注目株。ふっくらと丸い大玉で、ナシのような食感とあっさりした甘さは柿の概念を覆すかも!?
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- 蜂屋(はちや)
- 釣り鐘のように先の尖った形が特徴の個性派。大玉の渋柿で、そのまま置いてポタポタの熟し柿に。干し柿にも好適
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- 富有(ふゆう)
- 全国で最も生産量が多い愛され系。丸くてつるっとした形。しっとりと程よい柔らかさと強い甘味が特徴
滋賀の柿の〝ふるさと〟
今津柿
- 岡本富有園
- 岡本義治さん
湖西道路に車を走らせると、広い柿畑が目を引く集落が。高島市の今津町深清水地区では、現在40軒の農家が約20ヘクタールの畑で柿を栽培しています。「100年以上の歴史があるんです」とJA今津町柿部会の会長・岡本義治さんが教えてくれました。
この一帯は百瀬川の扇状地で、もとは桑畑。大正時代に岡本さんの祖父が、柿の産地・岐阜から富有柿の苗木を持ち帰り植えたのが始まりだそう。現在作られているのは約10品種。農薬、化学肥料を極力減らし、手間暇かけて育てた柿を、9月下旬から12月中旬まで順に楽しむことができます。
また、今津柿のPR活動や、栽培方法・新商品の開発にも積極的。例えば、富有柿をポリエチレン袋で個装する「冷蔵柿」や、富有柿を樹上で袋がけして大きく育てる「袋かけ富有」は長持ちするため、お正月でも新鮮な柿を楽しめそう。「昨年はこの周辺の『柿マップ』を作りました。産地で新鮮な柿を、ぜひ!」
- 問い合わせ
- 岡本富有園=TEL:090(2352)1920
JA今津町総合営農センター=
TEL:0740(22)4545
黒い紋はおいしい証拠
黒田如水柿
- 黒田柿生産組合・組合長
- 小畑義彦さん
「わ、大きい!」と思わず声が上がる太秋は、その重さ約400g(一般的な柿の重さは200〜250g程度)。甘くて大きい高級柿として認知度もアップしています。
長浜市木之本の黒田地区では、2005年から休耕田を利用してこの太秋を作付け。ネーミングは、地元出身の戦国武将・黒田官兵衛(のち如水)にちなみ「黒田如水柿」に。
「地元の農家8人で組合を作って栽培しています。肥料の加減で雌花がうまく付かなかったり、獣害に遭ったりとまだ試行錯誤の連続ですが、大きくて甘みの強いものが収穫できるので、ファンも増えてきています」と黒田柿生産組合・組合長の小畑義彦さん。
おいしい太秋の見分け方を尋ねると「完熟すると果皮に〝条紋〟といって黒い横筋が入るんです。選ぶときは見かけがイマイチなものがおすすめです(笑)」。
- 問い合わせ
- 黒田柿生産組合・小畑さん=
TEL:0749(82)3530
※今年は台風被害により出荷数は少なめとのこと
「霊峰」を農家の起爆剤に
伊吹柿
- 伊吹果樹組合・組合長
- 瀧澤均さん
伊吹山麓に広がるのどかな柿畑。伊吹果樹組合がこの地で柿の栽培を始めて、今年で65年目になります。作られているのは主に平核無。渋柿なので、収穫した実を炭酸ガスの室に入れ、3日間渋抜きをしてから出荷します。「伊吹柿は木の上で完全に色づいてから収穫するので、普通の平核無より糖度が高いんですよ」と同組合長の瀧澤均さん。
さらに一昨年から、木の上で果実1個1個に固形アルコールを入れた袋をかけ、樹上脱渋したブランド柿「霊峰」が登場。一般的な平核無は誰でも食べやすい柔らかい食感ですが、霊峰は甘味が凝縮され、シャキシャキした食感に。出荷数は300箱(1箱6個入り)と限られてきますが、「付加価値の高い柿を作ることで、農家にもやりがいが生まれます。後継者不足が悩みですが、例えば定年退職してじっくり柿作りをやってみたいというような人が増えたらいいですね」。
- 問い合わせ
- JAレーク伊吹 販売施設課=
TEL:0749(63)2106
- 家庭でも渋抜きができる!?
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「ヘタの部分にちょっと焼酎をつけて、ビニール袋で密閉します。1週間ほどで甘くなりますよ」(岡本さん)
- 柿の食べ方いろいろ
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「柿と牛乳をミキサーにかけた柿シェイクが好きです」(小畑さん)
「パイ生地に乗せてピザ風に。去年は地元の和菓子店とコラボして、太秋を使った柿大福を商品化してみました(今年は発売未定)」(岡本さん)
- カニと柿のおいしい関係
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「10月下旬~12月上旬は柿の旬に当たりますが、これは越前ガニ漁の始まりの時期(11月6日〜)とほぼ重なります。私たちの間では、『柿のおいしい時期はカニもおいしい時期』とお客さまにお話ししています」(岡本さん)