
気兼ねなく使える個室のあるお店!
スーパーなどに年中並んでいるブロッコリーですが、日本では初冬から春までが旬。その魅力について、京都府の産地のひとつ、宇治市で話を聞きました。料理人によるブロッコリーを使ったレシピを紹介しています。撮影/桂伸也、鈴木誠一ほか 記事協力/京都リビング新聞社
「ブロッコリーは近年、消費量が大きく増え、全国の生産量では20年ほど前と比較して約2倍になったとのデータがあります。2026年度からは、農林水産省が定める〝指定野菜〟に仲間入りすることが決まっています」と、「JA京都やましろ」でブロッコリーを担当する澤野浩平さん。
指定野菜とは、1966年にスタートした制度。国民生活に重要な野菜として、現在はネギ、ダイコン、キュウリ、トマトなど14品目が対象となっているそう。前回の指定は1974年のジャガイモだといいますから、約50年ぶり!
「指定野菜に追加されると、その野菜の価格が下落したときには生産者に補給金が交付(※)されます。生産者の経営が安定すれば、結果として消費者も安定した価格で購入できることに。皆さんにとっても大きな意味を持ちます」と、澤野さん。
※作付面積などの条件を満たす「指定産地」で生産されたものに限る、といった規定あり
ブロッコリーは北海道から九州まで各地で生産されていて、京都府内の産地としては丹後や山城といった地域が知られています。「JA京都やましろ」が扱う、宇治市産のブロッコリーの昨年の出荷量は約20・5トン。
「当エリアでは、6軒の農家の方々が『ブロッコリー部会』を結成。栽培技術の情報共有を行うなどし、中央市場でも宇治市産のブロッコリーは品質が良いと好評です」と、澤野さん。宇治市でのブロッコリー生産の歴史は古く、「おそらく40年ほど。努力や工夫を重ねてこられた歴史が、この品質につながっているんですね」と胸を張ります。
普段、私たちが食べるのは、小さな花のつぼみが集まった〝花蕾(からい)〟というブロッコリーの花茎の部分。店頭で選ぶときには、花蕾が細かくてよく詰まっているもの、持ったときにずっしりと重みのあるものを選ぶと良いと、澤野さんからのアドバイス。「茎の切り口が黒ずんでないものが新鮮です」
栄養成分にも注目を。
「健康維持に欠かせないビタミンCやカリウム、食物繊維などが豊富です。消化の負担が少ない植物性たんぱく質が摂れる点でもおすすめ。スルフォラファンという成分は抗酸化作用があり、免疫力の向上も期待できます。上手に食卓に取り入れてほしいですね」