体温を知ってヘルスケア
ふと鏡を見たときに顔色がどんより見えたり、人から「具合が悪いの?」と聞かれたり…。こんな悩みの原因は、肌がくすんでいるからかもしれません。美容家の山本未奈子さんによると、くすみのタイプは4つの色に分けられます。色別に解決法を教えてもらったので、自分に必要なケアを取り入れ、透明感のある生き生きとした印象の肌を目指しましょう!
紙面協力:サンケイリビング新聞社
illustration:Sachiko Watanabe
- プールで唇が青くなるのと同じ原理で、血行不良によって、顔色が悪く見える状態。血行が悪いと、冷えや新陳代謝の低下の原因にもなります
- 角質肥厚や、紫外線によるメラニンの色素沈着が原因で、肌全体が暗く見える状態。対策をすればわりと効果がわかりやすいくすみです
- 肌が炎症を起こして、血管が拡張して血流の量が増加し、赤くなっている状態。重症化すると、改善するのに数年かかることも…
- 肌の中の糖とタンパク質が結合して酸化することで起こる糖化。白いご飯を放置すると黄色くなるのと同じ状態で、肌が糖化して黄色っぽくなります
朝イチのホットタオルで血流を改善
血流が悪くなると青っぽくなり、暗くてどんよりした印象の顔色に…。温めることを意識して血流の改善を。朝、スキンケアの前にホットタオルを顔に当てると、スキンケアの浸透や化粧ノリがよくなります。電子レンジで温めたタオルで3分程度、この朝のひと手間で1日の顔色が変わり、透明感もアップ!
また、入浴時に炭酸入りの入浴剤を使えば、お風呂での全身の温まり方がぐっと上がります。
そして、ツボ押しマッサージも血行促進には効果的。ただし、あまり強く押しすぎるとたるみの原因になるので、筋肉の流れに沿ってほどよく刺激を与える程度にしましょう。
角質ケアでターンオーバーを正常に
年齢とともに肌のターンオーバーがきちんと行われなくなり、はがれ落ちなかった角質がどんどんたまって角質肥厚に…。酵素の入った洗顔料や、角質ケアの美容液などでお手入れを。
ただし、やりすぎると角質層を傷つけ、炎症を起こして赤ぐすみに傾いてしまう恐れも…。自分の肌と向き合いながら、肌がごわつく・化粧水が入りにくい・ファンデーションのノリが悪いなど感じたときに行いましょう。目安は週に1回程度。
紫外線対策は休みなく!
何よりも重要なのは紫外線対策。紫外線が肌のエイジングの原因の80%を占めるとも言われており、対策するかどうかで、5年後、10年後の肌が大きく違ってきます。
日常で使うのは化粧下地に含まれているSPF20~25くらいで十分。毎日のことなので、使い心地で選ぶのもポイントです。サンプルを上手に活用して、自分の肌に合うか、使用感が好みかどうかを見極めて。
肌を落ち着かせるスキンケア
肌が赤くなっているときは、炎症を起こし、バリア機能が低下している可能性があります。紫外線のほか、PM2.5や花粉など環境の影響を受けやすくなり、化粧品がしみたり、かゆみを起こすことも…。重症化すると、改善するのに数年かかることもあります。
炎症が強いときは、温めるのはNG。肌を沈静させるスキンケアアイテムなどで、血管の拡張を抑えましょう。
抗酸化で糖化を根本から防ぐ
ビタミンC誘導体が含まれた化粧品などを使用するのも対策のひとつです。
また、意識的に抗酸化作用の強い食材を食べること。ビタミンA(ニンジン、ほうれん草、色の強い果実や野菜)・C(柑橘類)・E(アーモンドなど)を積極的に取りましょう。ポリフェノールも効果的で、ワインを選ぶなら白より赤を!
すぐに効果は感じにくいですが、意識的に摂取することで酸化と糖化を防ぎ、エイジングを遅らせることにつながるのです。
- 教えてくれたのは…
- 山本未奈子さん
- 美容家。MNC New York Inc.代表取締役。雑誌・Webサイトの美容記事の執筆や監修など多方面で活躍。3児の母。
【美しさの基本は3つの柱】
拡大鏡で自分の肌をよく見て、今の自分の肌がどんな状態なのかをチェックしてみましょう。自分自身に向き合って原因を探れば、解決法が見えてくると思います。
それから、どんなにスキンケアに手間をかけても、❶バランスのとれた食生活 ❷睡眠 ❸適度な運動、この根本的な3つの柱がしっかりしていないと、美しい肌は手に入れられません。肌は〝生活の成績表〟。ココロもカラダも健康であることが大前提で、その延長上に美しさがあるのです。