組み合わせて楽しむ 地酒と魚料理のペアリング
スーパーの棚に並ぶ多種多様なスパイス。最近は、スパイスカレーが注目されていたり、民間資格が多数あったりと、スパイスが身近な存在になっていますね。暑くなるこれからの季節、香りと辛さが魅力の料理でパワーをチャージしませんか。
家庭でもチャレンジしやすい、スパイスを使った料理を2品、プロに教えてもらいました。
1つ目はカレーのレシピを紹介。ポイントはクミンシード。最初に低温の油で炒めると、香りが立って本格的なカレーに近づくそう。2つ目のレシピを提案してくれたのは和食の料理人です。ジャンルにとらわれないことでレパートリーが広がりますね。甘めの白みそとスパイスの相性の良さを楽しんで。
クミンシードで本格カレー
鶏と梅でさっぱりと
夏野菜の鶏ミンチ 梅バジルキーマ
材料2人分
- 鶏ミンチ…200g
- タマネギ…1/2個
- シシトウ…2本
- ナス…1/2本
- 赤パプリカ…1/4個
- 黄パプリカ…1/4個
- カットトマト(400g入りの缶詰)…1缶
- 野菜ジュース…100cc
※ニンジンの割合が多いものがおすすめ - サラダ油…大さじ4
- 梅肉…大さじ1
- 塩・こしょう …各少々
- 卵黄…2個
- クミンシード…小さじ1
- おろしニンニク…小さじ1
- おろしショウガ…小さじ1
- カレー粉 (無塩)…大さじ2
- バジルパウダー …大さじ1
※バジルソースやフレッシュバジルでも可
作り方
- 鍋にサラダ油を入れ、クミンシードを弱火で炒める。クミンシードの周りに細かい泡が出てきたら、粗めのみじん切りにしたタマネギと塩を入れ、タマネギがほんのりと色づくまで炒める
- 5mm幅の輪切りにしたシシトウを❶に加え、香りが立つまで炒める
- 1cm角に切ったナスと赤・黄パプリカを❷に加え、しんなりするまで炒める。さらに、ニンニクとショウガを入れて、軽く火を入れる
- ❸にカットトマトを入れ、かき混ぜながら強火で約5分加熱
- ❹にカレー粉と塩ひとつまみを入れて、粉っぽさがなくなるまで2~3分炒める
- 鶏ミンチと、塩・こしょうを加え、中火で炒める
- 鶏ミンチに火が通ったら野菜ジュースを加え、全体をなじませる
- ❼に梅肉を加える
- バジルパウダーを加えた後、塩・こしょうで味を調える
- 皿に、ごはん(分量外・写真は黒米)と❾を盛り付ける。卵黄と梅肉(分量外)を乗せ、あれば水菜やトルティーヤチップスを飾る
教えてくれたのは
- カレー食堂ジャンゴ 浅尾将大(まさひろ)さん
- 彦根市京町3-7-40 TEL:0749(49)3557
白みその甘みを引き立てる
コリアンダーやチリペッパー
魚介とアボカド、トマトの京風味だけど
スパイシーなグラタン
材料2人分
- むきエビ…約100g
※ブラックタイガーでも可(5~6匹・殻はむいておく) - ホタテ貝柱(大)…6個
- アボカド(完熟)…1個
- トマト…1個
- 卵(Mサイズ)…2個
- ピザ用チーズ…適量
- 粉チーズ…少々
- バター…大さじ1
- コンソメ顆粒(かりゅう)…小さじ1
- ホワイトソース(缶詰)…150g
- 白みそ…大さじ1
- クミン…小さじ1/3
- チリペッパー…小さじ1/3
- 黒こしょう…少々
- コリアンダー…小さじ1/3
- バジルパウダー…適量
作り方
- むきエビ、ホタテ貝柱、アボカド、トマトは、それぞれ一口大にカットしておく
- 熱したフライパンにバターを入れ、溶けたら❶の魚介類を加える。少し火が通ったらアボカドとトマトも入れて、さっと炒め合わせる
- ❷にクミンとチリペッパー、黒こしょう、コンソメ顆粒を入れ、混ざったら火を止める
- ボウルでホワイトソースと白みそをしっかりと混ぜ合わせる。コリアンダーを加え、さらによく混ぜる
- グラタン皿に❸を等分に分けて入れ、上から❹を均等にかける ※❸を入れるときは水分が入らないように注意
- ❺にピザ用チーズをのせて、粉チーズを全体に振りかける
- 中央を少しくぼませて、卵を割り入れる。全体にバジルをふりかける
- 魚焼きグリルやオーブントースター(上下にヒーターがあるタイプ)で約5分、中火で焼き、卵が半熟になりチーズに焼き色が付いたら取り出す
教えてくれたのは
- はなさび 永谷知永子さん
- 大津市栄町13-11 TEL:077(534)1034
スパイスをもっと身近に!
2品のレシピを見て、スパイスって意外と使いやすそうと思った人もいるのでは。そこで、滋賀リビングカルチャー倶楽部講師の木村理恵さんにスパイスの特徴や取り入れ方のコツを聞きました。
「そもそもスパイスとは、香りや辛みがある植物の種などのこと。手に入りやすいのは50種類ほどといわれています」と木村さん。その中で〝世界4大スパイス〟と呼ばれるのが、丁子(ちょうじ)という別名を持つクローブ、ハンバーグによく使われるナツメグ、お菓子作りでも活躍するシナモン、そしてご存知、こしょう。
「クローブはなじみがない人も多いかもしれません。つぼみを乾燥させたもので、甘い香りが特徴。煮込み料理に向いています。煮込む際に一つ、二つ加えてみて」
スパイスは、ほんの少し使うだけでもメリットが。
「本格的な味になるのが大きな利点。単体よりも複数使う方が味に深みが出るので、ガラムマサラやカレー粉といったミックススパイスは便利だと思います。ルーで作るカレーに加えるのもいいですね」
さらに、風味が増すため調味料が少なくても満足感のある料理に。つまり、減塩につながるということ。これはうれしいポイントです。そして、食欲増進や消化促進にも役立つと木村さん。これからの季節、暑さで食が進まないという人こそスパイスを活用してみては。
保存方法は?
スパイスのパワーを生かすためにも、適した状態で保存することは大切。
「注意点は三つ。まずは湿気ないように注意。冷蔵庫に入れる必要はありませんよ。そして、光を遮り、色あせしないようにしてください。ガラス瓶に入っている場合は、マスキングテープなどを巻くと見た目もおしゃれに。三つめは香り。香りは揮発性なので、切り口からどんどん抜けていきます。できればホールタイプのものを調理をするたびに挽くといいですね」
キッチンに並んで出番を待っているスパイス。今夜の料理に一振りして、新しい一品を家族で囲んでみませんか。
教えてくれたのは
- 木村理恵さん
- 滋賀リビングカルチャー倶楽部「ハーブ&スパイス講座」講師。「夏は冷房などで体が冷えることもありますが、そんなときにおすすめなのがショウガやシナモン。体の中から温めてくれる作用が期待できます」
木村さん流〝ちょい足し〟のすすめ
一振りから始めて、好みの味を探しては。残ったスパイスの活用法としてもおすすめ。
- カレー粉+マヨネーズ
- 「定番のポテトサラダに。カレー粉を加えることで風味がプラスされ、マヨネーズの量が少なくても満足感を得られます」
- ナツメグ+バニラアイスクリーム
- 「ナツメグというと肉料理に合わせることが多いと思いますが、乳製品との相性もばっちりです」
- ターメリック+牛乳
- 「ターメリックには辛みはないので、子どもにもおすすめ。好みでハチミツを加えても」※ハチミツ入りで子どもが飲む場合は年齢に注意を(1歳以上)