A・SQUAREで
佐々木一澄/著 二見書房(1500円・税別)
福を招く日本各地の郷土玩具・縁起物
いかにもめでたい赤い地色に鯛を持った猫のゆるいイラストの表紙が目をひきます。著者の本職は、郷土史研究家ではなく、デフォルメした絵が特徴的なイラストレーターですが、たまたまのぞいた民芸店の地下で運命的な出会いをします。
色鮮やかで素朴で無邪気で少し間抜けな人形に一目ぼれしました。「一生付き合っていくことになるかもしれない」。それが郷土玩具との出会いだったそうです。
郷土玩具は、庶民の生活に根付き、子どもの健やかな成長、家内安全、商売繁盛、無病息災などの願いが込められているだるまやこけしもあれば、駄菓子のおまけで鳥や犬をかたどった2cm足らずの「福徳人形」など多様です。滋賀県では、東近江市の小幡人形(おばたでこ)がイラストと共に紹介されています。
もし旅行先や帰省先で郷土玩具を見つけたら、そっとてのひらにのせて愛(め)でてください。
紹介者:草津市立南草津図書館/川端恭子さん