矢橋帰帆島公園で
中村桂子/著 集英社クリエイティブ(1500円・税別)
ふつうはどうして大切か 生命科学者が語る、おんなの子の物語
「ふつうのおんなの子」って何でしょう。平凡で目立たない、あまりパッとしない、そんな子を思い浮かべるでしょうか。
この本では、大きなことは望まなくても、自分が納得できる生き方をする人を、性別や年齢は関係なく「ふつうのおんなの子」と呼んでいます。
人間を生き物としてみる研究者の中村さんならではの目線で、あしながおじさんのジューディやエンデのモモ、長くつ下のピッピなど、自由でしなやかで筋の通ったおんなの子たちがなぜ私たちを引きつけるのかを解き明かします。
ふつうの人がふつうに生きることがむずかしくなってきた今、数字や効率や成長ばかりを優先してきた世の中の在りように、物語の魅力を紹介しながら疑問を投げかけてくれます。
紹介者:大津市立北図書館/千田育さん
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