イオンモール草津で。
冬の物語
イサク・ディネセン/著 横山貞子/訳 新潮社(2592円)
長い冬の長い夜に
「アフリカの日々」の作者、ディネセンがナチス占領下のデンマークで書いた物語。
アフリカで一時期コーヒー農園を経営していたディネセンは、よく友人に物語を語っていました。帰国後に書き上げた作品はどれも、まるですぐそばで語られる物語に耳を傾けているような感覚を味わえるものです。
19世紀半ばから末の北欧を舞台としたこの11の短編も、読む者をあっという間に別の世界へ連れていってしまう、物語る力にあふれています。
助けてやったハヤブサに再会する少年水夫、名声に苦しみ全てを捨てようとする作家、境遇を偽り旅を続ける姉妹…。居ながらにして〝ここではないどこか〟へ旅することができる、北欧の物語です。
紹介者:大津市立図書館/田中裕子さん
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