「出産に立ち会ったのは」【こそだてDAYS】
ジェシカ・ラブ/文・絵 横山和江/訳 サウザンブックス社(1800円・税別)
なりたい自分に、なりたい
おばあちゃんとプールに行って、帰りの電車の中。ジュリアンの目は乗り合わせたキレイなマーメイドの格好をしたお姉さん達にくぎ付けです。「きれいだなぁ」…見とれてしまって、自分がマーメイドになった姿を想像するジュリアンは、おばあちゃんにこっそり打ち明けます。「ぼくもマーメイドなんだ」…。
「マーメイド」は女の人魚のこと。男の子のジュリアンが、自分のことを「女の人魚だ」というところに、性の在り方の多様性をどう受け止めるのか…という本書のテーマが見えます。でもそれ以上に、ジュリアンが「自分はこうありたい」と願ったことを、おばあちゃんが自然に受け入れているその姿に、心が温かくなるのでした。
この絵本は、ニューヨークのブルックリンで毎年行われているマーメイドパレードがモチーフとなっているそうです。
紹介者:野洲図書館/早田ひとしさん
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