矢橋帰帆島公園で。
前川恒雄/著 夏葉社(2000円・税別)
ザ・プロフェッショナル(映像化希望!)
昭和40年、図書館がひとつも無かった東京都日野市に生まれた一台の移動図書館車。その活動はやがて日本全国の図書館の在り方そのものを変えていく大きな転換点となりました。図書館は誰かを教育する場でも勉強部屋の代わりでもない。市民の〝知りたい、学びたい〟という気持ちに応え、必要な本を必要とする人に手渡す仕事をするのだと市民の生活の場にどんどん本を届けたのです。
「本を借りるところ」という今の図書館の当たり前の姿は、いかにして当たり前のこととなったのか? 現代の図書館の黎明(れいめい)期を回想する熱気に満ちたドキュメンタリーです。
著者の前川恒雄さんは後に滋賀県立図書館の館長となり、滋賀県の図書館サービスの基礎を築く仕事をされました。前川さんはこの春、残念ながらご逝去されましたが、コロナ禍の中、図書館は何をすべきところなのか、何のためにあるのかを改めて考えるきっかけとなる本だと思います。
紹介者:野洲図書館/早田ひとしさん
タグ: