フォレオ大津一里山で
タイムマシンでは、行けない明日
畑野智美/著 集英社(2052円)
人生は“トライアル・アンド・エラー”
大学院生の丹羽は、ある日先輩から研究室にあるタイムマシンの鍵を渡されます。丹羽はそのタイムマシンを使って初恋の女の子の事故を食い止めるため過去へ向かいます。しかし、目の当たりにした過去は自分が経験したものと違っていました。現在と過去を行き来するうちに丹羽は元の世界へ戻れなくなってしまいます。窮地の中で彼が助けを求めたのはタイムマシンを発明した井神先生でした。先生が突き付けた唯一の方法、それは驚くべきものでした。
タイムマシンを使って過去へ向かうという物語は何度も小説で描かれてきました。それは私たちが選ばなかった人生に対して後悔しているからではないでしょうか。本書からはタイムマシンを使って過去を簡単に変えられるほど人生は甘くない、だからこそ今を見つめ自分の選んだ道をまっすぐに生きていこうという著者のメッセージが伝わってきます。
紹介者:守山市立図書館/南伸之介さん
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