イモムシ偏愛記
原田ひ香/著 祥伝社(1400円・税別)
食べて、飲んで、生きていく
バツイチ・アラサー、祥子(しょうこ)の職業は「見守り屋」。依頼を受けると依頼者の家族、ペット、時に依頼者本人を夜から朝まで見守ります。依頼する理由はさまざまですが、どの客もそして祥子自身も人知れず悩みを抱えています。一緒に過ごすほんの短い時間の中で会話を交わすうち、互いの心の機微に触れ、客だけでなく祥子の心境も変化していきます。
煮詰まってどうにもならない時に、誰かに聞いてもらうことで少し気持ちが軽くなる、そんな経験が誰しもあるのではないでしょうか。
本書は16編からなる連作短編集で、タイトルの「ランチ酒」とは祥子が仕事終わりに飲む一杯のこと。お酒と共に、牛タン・海鮮丼など、おいしいものが疲れた祥子を癒やしてくれます。続編「ランチ酒 おかわり日和」もあります。
紹介者:守山市立図書館/勝島純子さん
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