矢橋帰帆島公園で
佐藤克文/文 木内達朗/絵 福音館書店(1430円)
ハイテク機器が解き明かす動物の謎
ペンギンやアザラシが泳ぐ姿を映像などで見たことのある人は多いでしょうが、観察が難しい彼らの生態はほとんど分かっていませんでした。
そこで研究者たちが考えたのが、小型の記録計を動物に取り付け、自分で行動データをとってきてもらう「バイオロギング」という方法。気鋭の海洋生物学者である著者は、この方法によって、水生動物たちの知られざる生態を次々と解き明かしていきます。
この「バイオロギング」は日本が世界をリードしている研究のひとつなのだとか。鳥や陸上動物にも装置を取り付けることで、その生態や生活環境までもが解明されつつあるのだそうです。
あえて写真ではなく柔らかく描かれた絵が、不思議な海の世界へと私たちを誘います。ハイテク機器による動物行動学の最前線を、そして謎が解き明かされていく「わくわく」感をお楽しみください。
紹介者:野洲図書館/谷口雪子さん
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