読書で離婚を考えた。
原田マハ/文 秋元良平/写真 文藝春秋(1309円)
犬がすきなひとに、そうでない人にも
介助犬は人間を支える使命を得て生きる犬。ラブラドール犬の「いと」は1年間パピーホームの家族と暮らした後、介助犬としての訓練を受けるため施設へ戻った。
しかし残念なことに、「いと」はキャリアチェンジ、つまり介助犬ではなく家庭犬として生きるように、と判断されてしまう。ショックを受けるパピーホームに対し訓練員は、「犬も人間と同じで、性質の向き不向きがあり、介助犬になれなかったことは決して落ちこぼれではない。犬にとって大切なのは、幸せに生きることなのだ」と語る。
物語に登場する犬たちは皆、人と支えあい、家族として互いにかけがえのない存在であることが描かれている。
後日、難病の家族に寄り添い、「心の介助犬」となった「いと」をとりまく人たちの言葉、そしてその写真に、心が温かくなる一冊。
紹介者:栗東市立図書館/西村貴代美さん
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