ロクハ公園で
マンフレート・ゼリンク/著 熊澤弘/訳 パイ インターナショナル(3630円)
緻密に描かれた16世紀オランダの人々
ピーテル・ブリューゲルは16世紀ネーデルラント(現オランダ)の画家です。庶民を題材にすることを好み、58点の作品が世界の美術館に収蔵されています。
本書では全作品を取り上げ、それぞれの部分を拡大して場面を解説。2017年に来日した「バベルの塔」では壮大な塔の建築作業の場面を拡大し、細かく描かれた資材の運搬や作業者の活気ある様子を取り上げます。
代表作の「子どもたちの遊び」は、当時の子どもたちの遊びを1枚の絵に集約した図解百科的な絵画で、木登り、竹馬など生き生きと遊ぶ子どもたちが描かれています。
日本にはブリューゲルを収蔵する美術館はなく2018年「種をまく人の譬(たと)えが描かれた風景」の来日以降、展覧会は開かれていません。またいつかブリューゲルがやってくる日を楽しみに待ちたいと思います。
紹介者:守山市立図書館/天谷真彦さん
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