近江神宮外苑公園(ブランチパーク)で
「ひと皿の小説案内」
ダイナ・フリード/著 阿部公彦/監修・翻訳 マール社(1998円)
読書の秋そして食欲の秋のおともに
小説を読んでいると、印象深い食事シーンに出合うことがあります。たとえば「ハイジ」の中で、おじいさんが焼いてくれる黄金色のチーズをのせたパンをいつか自分も食べてみたい、そう思ったことがある人は多いのではないでしょうか。
そんな読書と食の楽しみをいっぺんに満たしてくれるのが本書。デザイナーである著者が、さまざまな小説に登場する50の食事を写真で再現しています。料理だけでなく食器や背景にまでこだわり抜いた写真からは、物語が醸し出す雰囲気まで伝わってくるようです。
「ハイジ」の他にも、「不思議の国のアリス」のお茶会、「ライ麦畑でつかまえて」の麦芽乳、「変身」の虫になった主人公が好んだ残飯など、作品は多岐にわたります。ページをめくれば、お気に入りの物語の食事が見つかるかもしれません。
紹介者:草津市立図書館/福田宏美さん
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