ロイスと歌うパン種
『蜜蜂と遠雷』
恩田 陸/著 幻冬舎(1944円)
「音楽を世界に連れ出すって約束したんだ」
世界中から天才たちが集まるピアノコンクールに、伝説的ピアニストから「ギフト」と称された少年が登場します。養蜂家の父と暮らす少年の名前は風間塵(じん)。そんな塵の音楽性に驚きながらも自分と通じるところがあると感じた、かつての天才少女・栄伝亜夜(えいでんあや)。子どものころ亜夜にピアノの楽しさを教えられ、有名音学院へ進んだマサル。かつての亜夜のファンで、サラリーマンとして生きながらピアノを捨てきれない高島明石(あかし)。それぞれが音楽とは何か?を考え悩み、自分自身と闘いながらコンクールに出場します。
「ギフト」にはどんな意味が込められているのでしょうか。
クラシック音楽やピアノに縁のある人はもちろん、そうでない人にもお薦めです。読んでいると、音楽に包まれているような不思議な感覚に陥り、ピアノが弾きたくなる物語です。
紹介者:草津市立南草津図書館/田淵 吾城野(あきの)さん
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