あひる
川上和人/著 岩波書店(1620円)
鳥肉を囲んだ食卓のおともに
からあげ・水炊き・親子丼…鳥肉料理は好きですか? 値段もお手頃でおいしいかつヘルシーな鳥肉は、日々の食卓にかかせないという方も多いのではないでしょうか。
そんな、私たちにとって身近な鳥肉から鳥類の生態と進化の歴史にせまっているのが、この一冊。著者は、小笠原諸島の鳥類の進化と保全に関する研究が専門の鳥のスペシャリストです。鳥肉といっても、鶏の胸肉やモモ肉だけではありません。鶏の足の指、鴨の首肉、はたまたアヒルの舌まで、著者自ら鳥たちのすみずみまでを食べつくし、各部位の知られざる機能を解説しています。
「ささみがないと鳥は飛ぶことができない」「砂肝は筋肉の塊でできた胃袋。歯がない鳥は胃で食べたものを砕く」などなど、鳥のトリビアも満載です。知ると今まで以上に、鳥肉が味わい深いものになるかもしれません。
紹介者:大津市立和邇図書館/池田千穂さん
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