フォレオ大津一里山で。
サビーナ・ラデヴァ/作・絵 福岡伸一/訳 岩波書店(2484円)
美しいイラストが伝える生命の「なぜ」
チャールズ・ダーウィンが著作「種の起源」で唱えた進化論。生物学に大きな影響を与えたことを知っていても、その内容はぼんやりとしかわからない人が多いのではないでしょうか。この本は色鮮やかな美しいイラストの数々で、ダーウィンが考えたことをやさしく伝えます。
たとえば、そもそも「種」とは何か。ページを開くと耳と足が長い、たくさんのウサギたち。見かけがよく似ている生き物のまとまりが「種」です。でもよく見ると、背が高いもの低いもの、色が違うものがいます。これが「個体差」です。さらにめくると、野生の中でさまざまな生き物が生きのびようとしています。ジャングルの中のトラはまるで隠し絵のよう。体の模様が木々にまぎれ、獲物をねらっています。世界は多様な生き物と、不思議に満ちているのだということを改めて感じられる本です。
紹介者:湖南立甲西図書館/岡本 美紀子さん
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