家で飲むお酒、調べました@kyoto
「そんな高い物を買うの?」。友達の買いっぷりに驚いたり、逆に友達からびっくりされたり。友達との金銭感覚のズレを感じたことはありませんか。読者のエピソードをもとに、金銭感覚の違う友達との上手な付き合い方を社会心理学やお金の専門家に教えてもらいました。仲良く関係を続けていくために大切なこととは?
イラスト/オカモトチアキ 紙面協力/京都リビング新聞社
- 友達と子連れでランチに行こうという話になりましたが、提案されたのはなんと2万円のスペシャルフルコース。お互いの子どものお祝い事が重なっていたとはいえあまりに高すぎるので、お断りしました(MA、50歳)
ランチの予算が合わずにモヤモヤ
友達との楽しいランチ…のはずが、金銭感覚が違えばモヤモヤすることも。
高すぎるランチを断る人がいる中、「友達はバリバリ働いていて、私は専業主婦。ランチ2000円までは良かったけれど、その後のカフェ代1500円はきつかったです。ランチだけで帰りたかった」(SA、29歳)と、生活環境の違う相手に合わせて後悔したとの意見もありました。
また、シーンによって予算は変わるもの。「20年ぶりに元同僚5人と食事へ。金銭面にシビアな人にお店選びを任せたら、カフェで1000円のワンプレートランチに。少し良いお店でゆっくり話したかったのですが…。『学生かっ!』と心の中で叫びました」(KM、55歳)と、特別な再会にはお金をかけてもいいと考える人もいます。
気持ちのすれ違いが多い一方で、「友達からホテルランチのお誘いが。お昼は1000円以内でという考えだった私はリッチなランチにドキドキしましたが、そこからホテルグルメにハマっています!」(SM、38歳)と、新たな世界が広がる場合もあるようですね。
- 教えてくれたのは
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京都文教大学
総合社会学部(専門:社会心理学)
准教授
浅井暢子さん
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「友達にとってランチの予定はそれだけ〝特別〟だったのかも。『楽しそう』と認めた上で、『もう少し気軽に会いたいな』と探ってみては」
- 教えてくれたのは
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ファイナンシャルプランナー
成松佳代子さん
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「事前に予算を話し合っておくのが理想的。思ったよりも出費がかさむ場合は、長いスパンでお金をやりくりして帳尻を合わせるという手もあります」
- 旅行で飛行機に乗ることに。友達から「ビジネスクラスじゃなきゃ嫌」と言われましたが、私には無理…。結局エコノミークラスとビジネスクラスに分かれました(YR、36歳)
「せっかくの旅行だから」
と思うかどうかで違いが
旅行はどこにお金をかけるかで、意見に違いが出ました。
「バスツアーに参加したときのこと。私はお土産がほしかったけれど、友達は『ツアー費以外はお金を使いたくない』と一切買わず…。こちらも買いづらかったです」(TT、58歳)、「旅行で遊園地へ。節約のためお弁当を作ろうと提案したけれど、『レストランで食べたい』と言われて断念」(OM、35歳)など、「せっかくの旅行だから」という思いを持つ人と、そうでない人とで金銭感覚にズレが出る傾向に。
交通費に関しては「10円でも浮くなら歩きたい」(MY、25歳)、「疲れていても、天候が悪くても、『お金がもったいないから歩こう』という友達。数百円で済むなら私は楽がしたいな~」(HR、29歳)と、考えは人それぞれです。
- 「交通費、食事代など、重視したいものが違うときは思い切って別行動するのも一つ。気楽に良い友達関係を続けていけると思います」
- 「お金をかけてもいいと考えているものは、友達も同じだと思いがち。相手の価値観を認めつつ、自分の軸もしっかり持つようにしましょう」
- 友人の新築祝いにお呼ばれ。私を含め、みんな4000円程度のお菓子などを持参しましたが、1人だけコンビニスイーツを手土産に! 驚きました(SM、33歳)
手土産の価格に後悔、ママ友同士で差も
いくらくらいの品が妥当か、迷うことも多い手土産。
「高校時代の同級生と友人宅で集まった際、1000円程度のお菓子を手土産に。ですが、他の友人はみんな3000円くらいのものを持ってきていたので恥ずかしかった」(TE、36歳)など、安い手土産を持っていって後悔したとの意見も多数。反対に、「友達の手土産は、いつも数百円のスナック菓子。少しびっくりです」(IK、40歳)といった人もいます。
「子どもが小さいとき、友達の家に一緒にお邪魔するときは500円程度の手土産を持参。でも、手土産はなしという人もいて、個人差を感じていました」(OM、51歳)など、ママ友同士でズレを感じたとの声も寄せられましたよ。
- 「手土産の正解は〝多数派〟になりがち。でも、世代による違いがあったり、以前の正解が今回は不正解になることもある難問です。ズレがあるのも当然と考えるとストレスが減ります」
- 「手土産は高価だから良いわけではなく、心がこもっているものが一番。友達のことを真剣に考えて選んだなら、金額以上に喜んでもらえると思います」
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〝心の財布〟の種類や大きさは人それぞれ
「フォールス・コンセンサスといって、人は自分の意見が多数派だと考える傾向が。金銭感覚が違う人を『常識がない』と感じるかもしれませんが、それだけで人となりを決めつけるのはNG。その友達と一緒にいたいかどうかが大切です。
金銭感覚のズレを理解するためにイメージしてほしいのが〝心の財布〟。誘われたランチが高いと思うとき、自分の心は〝通常のランチの財布〟であっても、友達は〝特別なときの財布〟を開いている可能性があります。無理に合わせる必要はありませんが、種類や大きさの違う新たな〝心の財布〟の発見を楽しむのも、良い友達関係を続けるコツだと思います」
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お金のかけどころの違いを理解し合える関係に
「交際費は限度を決めないと散財しがちです。家計収入に見合った、無理のない範囲で自分のお小遣いを月いくらと決め、その中でやりくりするようにしましょう。一緒にいて楽しいと思えたり、役に立つ情報をくれたりする友達との交際費を優先させるのが、〝生きたお金の使い方〟です。
大きなお金が動く旅行などは金銭感覚の合う友達と行き、ズレを感じる友達とはお茶やランチの際に会うというのも、仲良くやっていく上での一つの方法。時には割り切ることも大事です。何にお金をかけるかは人によって違うので、お互いに譲れないポイントがあることを理解し合えるといいですね」