離れて暮らす家族の介護、どうする?
とても多彩な日本のマンガ。それにも負けず劣らず幅広い読者層を誇る「リビング滋賀」ですが(大きく出すぎ!?)、読者の皆さんはどんなマンガを読んでいるのでしょうか。
通勤時間やおうち時間のすてきな相棒
通勤電車でスマホを使ってマンガを読んでいる人、結構いるなぁと思う今日この頃。外出がままならない日々の退屈をマンガで解消している人もいるかもしれませんね。
今回は、読者からおすすめマンガを募りつつ、そのうち3人の女性と一緒にオンライン座談会を実施しました。
その様子はコチラで紹介。どんな時、マンガを手に取るかについて聞きました。
座談会参加メンバー
おすすめ作品
- 「二月の勝者」
- (1~12巻、以下続刊)
高瀬志帆/ビッグコミックス/小学館 - 主人公は中学受験の進学塾講師・黒木蔵人という謎の男。「さまざまな事情を抱えた子どもたちやその親が私立中学受験を選択する理由や、進学塾事情などがリアルに描かれていて、娘の塾の迎えのとき、つい塾内を観察してしまうほど(笑)。10月にドラマ化されるそうなので、これも見逃せません!」(きなこ)
- 「ゆりあ先生の赤い糸」
- (1~8巻、以下続刊)
入江喜和/BE LOVE KC/講談社 - 「第45回講談社漫画賞 総合部門」受賞作。「第1話を読んだ時の感想は『これはいったい何の話!?』。8巻まで進んだ今も、この物語がどう帰着するのかは謎で、そこが本当の人生みたいです。あと、中年のヒロインはもちろん子どもやお年寄り、厄介な人まで、人間の描き方がとてもチャーミングです」(編集K)
©キューライス/KADOKAWA
- 「ネコノヒー」
- (1~4巻、以下続刊)
キューライス/KADOKAWA - 残念だけど憎めない猫、ネコノヒーさん。旅先で自宅のタコ足コードが発火しないか気になったり、ネギたん塩を食べようとしてネギが全部落っこちてしまったり…。「美容院で隣に座っていたおばあちゃんが大笑いしながら読んでいたのが、この本を手にしたきっかけ。人生経験が長いほど面白い作品かも」(きなこ)
- 「ペリリュー ―楽園のゲルニカ―」
- (全11巻)
武田一義、平塚柾緒
(太平洋戦争研究会)/ヤングアニマルコミックス/白泉社 - ある日本兵の視点から描かれる、太平洋戦争末期のペリリュー島での物語。「内容は重いですが、絵柄がかわいらしい分読み進められ、心に刺さります。悲惨さだけが強調されるわけではなく、そこで戦っていた日本兵たちの個人としての姿が描かれている所も魅力。子どもたちにもサラッと薦めたいです」(ごん太)
- 「アラガネの子」
- (1~2巻、以下続刊)
佐々木尚/ジャンプコミックス/集英社 - 鉱石職人の朱星は、とある地下集落で少年・灰(カイ)と出会う。灰の左足と家族は、石に変えられていて―。「宝石を題材にした中華ファンタジー。でこぼこ師弟が旅を通じて互いに成長する物語です。面白いのでもっと知られてほしい! 作者のツイッターで作画の様子がアップされているのも注目です」(MS)
- オンライン座談会で
聞きました
- 参加メンバー
- MSさん(37歳)…昔ハマったマンガは「幽★遊★白書」(冨樫義博)
- ごん太さん(40歳)…コロナ禍に「火の鳥」(手塚治虫)を全巻読破しました
- きなこさん(39歳)…マンガを読むのは、ズバリ現実逃避したいとき!
- 編集K(45歳)…大島弓子、くらもちふさこ…。少女漫画LOVEです
コチラで紹介したおすすめ作品を教えてくれた3人の読者と一緒に、オンラインでマンガ談義。「マンガが好き」といっても、マンガに求めているものは見事にバラバラでした!
〝日常への共感〟も〝非日常のロマン〟も
編集K 皆さんはどんなマンガが好きですか? 私は〝普通の人〟の日常を描いた作品が大好き。今回推薦した「ゆりあ先生の赤い糸」と「プリンセスメゾン」は、作者の優しさと厳しさのバランスや観察眼が私にとって絶妙で共感しきり。親友のような存在です。
MS 私が好きなのは「共感」とは程遠いものばかり(笑)。ファンタジーやホラー、ミステリーなど、非日常感のある作品に引かれます。
ごん太 「累―かさね―」はあらすじの説明を聞いただけで読みたくなる!
編集K 「アラガネの子」は絵がきれい。ちなみに、ごん太さんには好きな作品の傾向ってありますか?
〝知識の泉〟であり〝笑いの泉〟
ごん太 私は歴史ものが好きです。中学時代にハマったのは、源氏物語を題材にした「あさきゆめみし」(大和和紀)。この作品に出合ってから、日本史に興味を持つようになりました。マンガをきっかけに、知識を深めていける作品が好きです。
編集K 私も似た理由で「お仕事マンガ」などの業界モノが好き。きなこさん推薦の「二月の勝者」は、私も全巻持ってます!
きなこ 中学受験をテーマにした作品ですが、これを読みだしてから「リビング滋賀」に挟み込まれている学習塾のチラシを熟読するように…(笑)。
MS 「ネコノヒー」の表紙もかわいいですね。
きなこ 昔から笑いのある作品が好きなんです。私が通っている美容院では、雑誌代わりにタブレットを貸してくれるので、昔のマンガを読んでます。この間は笑いすぎて体が震えて、カットを中断してもらったほど(笑)。
MS・ごん太・編集K 一体何を読んでたの!? 気になるな〜(笑)。
- 「プリンセスメゾン」
- (全6巻)
池辺葵/ビッグコミックス/小学館 - 20代独身、年収250万円ちょっとのヒロインが自宅購入を目指す物語を軸に、年齢も職業もさまざまな一人暮らしの女性たちの物語がオムニバス形式で挿入されています。「一人で生きる責任や自由が描かれていると同時に『生きている限り、人は誰かとつながり、関わっている』というメッセージも感じる一冊です」(編集K)
- 「トクサツガガガ」
- (全20巻)
丹羽庭/ビッグコミックス/小学館 - 主人公は特撮オタクのOL。「『周りにはバレたくない』けど『共通の趣味で話がしたい』などオタクのあるあるが描かれています。一番共感したのは『好きなものだからこそ文句を言いたい』という話。愛があるからこそ、言わせてほしい! でも、やっぱり最後は好き。子育てにも通じる気がしました」(ごん太)
- 「累―かさね―」
- (全14巻)
松浦だるま/イブニングKC/講談社 - 容貌の醜さから忌み嫌われてきた少女に、有名な美人女優の母親が遺した一本の口紅―。「最近の作品でありながら、どこか懐かしいような、手塚治虫作品をなぜか思い出すような、昭和めいたホラーサスペンスの空気が色濃く漂う作品。『美しいとは? 醜いとは?』というテーマが真正面から鮮烈に描かれています」(MS)
- 「絢爛たるグランドセーヌ」
- (1~18巻、以下続刊)
Cuvie/チャンピオンREDコミックス/秋田書店 - バレリーナを目指す少女たちの物語。「徹底した描写のリアリティーが特徴。私はもう親の立場なので、レッスン代やトウシューズ代に頭を悩ませながらも娘の夢を応援する親たちに感情移入して泣いてしまいます」(MM・37歳)
- 「DOG SIGNAL」
- (1~5巻、以下続刊)
みやうち沙矢/BRIDGE COMICS/KADOKAWA - 「ドッグトレーナーとして成長していく主人公の姿が面白い! コロナ禍でペットブームですが、犬の知識や接し方がわからず飼っている人もいると思うので、主人公と一緒に成長しながら楽しく読んでもらいたいです」(MT・56歳)
- 「ニューヨークで考え中」
- (1~3巻、以下続刊)
近藤聡乃/亜紀書房 - 単身ニューヨークへ渡り、今もそこに暮らす著者の日常を描いたエッセーマンガ。「なかなか海外へ行けない昨今ですが、この本で旅気分を味わえます。開きやすくて変わった装丁なので、ぜひ実物の本を手に取ってみてほしいです」(YU・32歳)
- 「RADIANT(ラディアン)」
- (1~14巻、以下続刊)
トニー・ヴァレント/飛鳥新社 - フランス生まれの少年マンガ。「おすすめポイントは三つ。一つめはキャラクターたちが織りなす会話の面白さ、二つめは主人公のセトが成長していく姿、三つめは多様性です。身近に考え方が違う人がいたり、周りにコンプレックスを抱いている人などに読んでほしいです」(NK・13歳)