信楽焼作家”中川雅佳”さんの作品とセレクト品が楽しめるプラスラゴ【信楽】
初めて自転車に挑戦したRちゃんとママのCさん
親が子どもに補助輪なしの自転車の乗り方を教えるとき、どうやって練習したら上達しやすいのか、プロにコツを聞きました。自転車を購入する際のポイントや、公道を走る際の安全対策も紹介します。撮影場所/県営都市公園「びわこ地球市民の森」
ポイントはバランス感覚 後ろで支えるより前で見守って
「自転車の補助輪を外して乗る練習のポイントは、バランス感覚を身につけること。教える側は後ろから支えたくなりますが、子どもが前を向くよう、前で見守るのがコツです」と滋賀県自転車競技連盟の濱井さん。
今回、挑戦したのは2人。Rちゃんは1人で自転車に乗るのは初めて。Yちゃんはちょうど「補助輪を外したい」と言い始めたところ。2人とも1時間足らずの練習でぐんと成長してくれました。それでは、教えるコツをステップ1~4で詳しくみていきましょう。
- 自転車に乗る際の服装&準備
- 長袖・長ズボン
- ヘルメット
- 軍手または手袋
- 運動靴
- ペダルレンチ
- 水分補給の飲料水
- 教えてくれたのは
- 滋賀県自転車競技連盟の
岸田泰成さん(左)
森貴尉さん(中)
濱井たけしさん(右)
- ペダルを外して歩く
自転車にまたがり、ママのCさんを見て歩くRちゃん
- まずは自転車のペダルを外す。次に、またがったときに子どもの両足(先だけでも可)が地面につく高さまでサドルを下げる
- 子どもにサドルにまたがって歩く練習をさせる。慣れてきたら、徐々に力強く地面を蹴ってスピードをつけさせる
- 止まるときは足ではなく、ブレーキを使うように教える
ペダルは、専用のペダルレンチで外します
- 子どもの目線が手や足元に下がるとハンドルがふらつきます。親は進行方向の前方から子どもに声を掛けてあげて
- 地面から足を離してバランスをとる
バランスがとれはじめたYちゃん
- 地面を蹴ってスピードをつけ、両足を地面から離してバランスをとる練習をさせる(緩やかな坂でやれば自然にスピードが出てやりやすい)
- 親が前方に立ち、「ここまでおいでー」と親の方へ進むように誘導するといったゲーム感覚を取り入れて、子どもが飽きたり、くじけたりしないよう気分をのせてあげましょう
- 片足をペダルに乗せて進む
ペダルに足を乗せるYちゃん。じょうずになってきました
- ペダルを取り付ける。片足をペダルに乗せ、もう片方の足で地面を蹴って進む練習をさせる
- 子どもが慣れてきたらスピードをつけ、もう片方の足もペダルに乗せてバランスをとらせる
- もう片方の足をペダルに乗せるとき、子どもは不安で足元を見がち。前を向くほうがバランスをとれるので、親は子どもの目を見て前を向くように導いて
- 両足でペダルをこぐ
補助輪なしで自転車に乗れたYちゃん
- 片足をペダルに乗せ力を入れてこぎ出し、走る練習をさせる
- こぎ出しやすいよう、利き足側のペダルを上げておきましょう
「うまくできた!」とハイタッチするRちゃんとCさん
あっという間に補助輪なしの自転車デビューを果たしたYちゃん。「家に帰ってお母さんに見せてあげる!」と胸を弾ませていました。
一方、Rちゃんは1年先輩のYちゃんの様子を見てやる気が出たよう。初めて自転車にまたがり、補助輪なしで歩くことができました。
「教える人も一緒に楽しんで。けっこうな運動量になるので、途中で休憩をはさんでくださいね」(岸田さん)
地元の自転車店に、子どもの自転車を選ぶ際に気を付けたいことや、長く使うコツを教えてもらいました。
- 選び方
- ■サドルの高さ…補助輪を外した状態では、またがったときに両足が先だけでも地面に付く高さに。補助輪を付けて乗るうちは少し高めでもよいでしょう
- ■ブレーキ幅…子どもがブレーキレバーをしっかり握れるかをチェック。握れなければ幅を調節してもらって
- メンテナンス方法
- ■タイヤの空気圧チェック…タイヤを長持ちさせるために月1回くらいのチェックがおすすめ。大人が両手で強く押して少し凹むくらいを保って
- ■キレイな状態をキープ…雨にぬれたり汚れたりしたとき、タオルで拭くだけでも劣化を防ぎ、きれいな状態が長持ちします
- 一緒に準備しておきたいもの
- ■空気入れ…修理の約7割がタイヤのパンク。中でも多いのが空気圧不足によるタイヤの破損だそうで、一つ持っておと便利
- ■スタンド…補助輪付き自転車にはスタンドが付いていないので、補助輪を外す際に必要。両立スタンドもありますが、小さいうちは片足スタンドが扱いやすいでしょう
- 教えてくれたのは
- メガチャンピオン草津栗東店
店長 石井貴幸さん
滋賀県警察本部交通部交通企画課に聞きました
子どもが自転車に乗り始めるときは
気を付けることを具体的に伝えて
子どもが自転車デビューをしたら、保護者は道路を走行する際の安全教育を。滋賀県警察本部交通部交通企画課によると、2022年の滋賀県での自転車による事故件数は515件(死亡者数8人、負傷者数501人)。前年より52件増加したとのこと。
「まずは警視庁のホームページ上にある、自転車の正しい乗り方に関する『交通安全教育用リーフレット(※下記アドレスからダウンロード可)』などで交通ルールを確認しておきましょう。親が手本となって、小さいうちから安全走行を定着させたいですね」と同課。
子どもと一緒に自宅周辺を走っておいて
「小さい子どもが自転車で移動する範囲は近所の公園など限られています。それらのルートを子どもと自転車で走り、『ここは車が良く出てくるから一度止まって左右を確認しようね』など具体的に教えてあげましょう」と同課。車の音に注意することや、カーブミラーの見方を教えておくのもよいそうです。
2023年4月1日より全年齢で自転車乗車用ヘルメット着用の努力義務化がスタート。大人も子どもも安全に気を付けたいものですね。
※ https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/leaflet.html