
おうちでプチレッスン~フラダンス②
災害時、必要なものがなくて困るのは避けたいもの。9月の防災月間を前に、防災セット(非常用持ち出し袋)について考えてみませんか。防災のプロに役立つアイテムやセットづくりのヒントを聞きました。ペットとの避難についても紹介していますよ。イラスト/かわすみみわこ
いつどこで起こるか分からない自然災害。ライフラインや流通が止まる可能性も考え、事前に必要なものを備えておくのがよさそう。読者アンケートによると「防災セットを用意している」と答えた人は45%。中身は水・食料などの必需品に加え、個々の事情に合わせたもの、さらになるほど!と感心するアイテムも。これらをピックアップして紹介します。
また、防災セットづくりのコツは滋賀県防災危機管理局防災対策室の江波維求さんに、ペットの防災に関しては一般財団法人滋賀県動物保護管理協会の岡正利さんにアドバイスをもらいました。こちらもチェックを。
「必要なものは人それぞれ。乳幼児は紙おむつやレトルト離乳食、薬を服用している人はお薬手帳、入れ歯を使う人は入れ歯洗浄剤など、被災時に自分や家族に何が必要か想像することから始めてもらえれば」と防災危機管理局の江波さん。
〝非常用イコール特別なもの〟と考えがちですが、身近なアイテムも立派な備えに。きちんと用意しなくてはと気負わず、普段の生活の延長線上で〝自分用にカスタム〟するのがポイントとか。
「ローリングストックという方法もあります。缶詰などを買い置きし、消費期限の近いものから食べ、その分をまた買い足して常に一定数を備えるんです。補充を忘れないよう、使う前に買うといったルールを決めておくと良いと思います」
さらに江波さんは、防災セットづくりは家族と楽しみながら進めてはと話します。
「お子さんと『何が要ると思う?』と会話しながら作る。あるいは『今日はお昼に防災食を食べよう』などと家族のイベントにして、口に合うものを備蓄に加える。近年の防災食は味も機能も進化しているので、試してみてほしいですね」
いざ防災セットを作ったら、背負って歩けるか確かめることも大事。悪天候のなか避難する場合もあるので、優先順位をつけて運べる範囲にしておきましょう。
在宅避難の備えに。避難所に行く場合は必要なものを選び、さらに自分用・家族用のものをプラスして持ち出して
家にしっかり備蓄し防災セットを用意していても、外出先で被災する場合も。普段づかいのバッグに防災ポーチを入れて持ち歩くと、もしものとき心強い味方になります。
ポーチには、外出先で数時間から一晩の間乗り切ることを想定し、最低限必要な防災用品を。日頃持ち歩いているものに必要なものを加え、自分流にアレンジしてみて。軽さ&コンパクトさも大事です。江波さんにあげてもらったおすすめアイテムも参考に。
江波さんが「忘れず用意してほしい」アイテムとして挙げたのは、携帯トイレ。災害時は停電や断水、下水管の破損などで、水洗トイレが使えなくなる場合があります。「避難所に行けば大丈夫」と思いがちですが、仮設トイレの設置に時間がかかり、長蛇の列ができることも。だったらトイレを我慢しようと水分や食事を控えると、体調を崩す原因になってしまいます。心身の健康を守るため、個人で使えるトイレを備えておくのがおすすめです。
ペットの災害対策の講習会などを催す「一般財団法人滋賀県動物保護管理協会」で動物指導員を務める岡さんは、普段から飼育場所の点検をと言います。
「地震や水害などが起きても安全か確認してほしいですね。いつものフードや薬の備蓄、また避難所に同行避難できるようワクチン接種などの健康管理、ケージに慣らすといったしつけも大切です」
災害時は離れ離れになる恐れも。迷子札やマイクロチップを装着し、ペットの写真も用意しておいて。「避難所では飼い主さん同士で分担して掃除するなど、周囲への配慮も心がけてもらえれば」