A・SQUAREで。
ネット依存、ゲーム障害という言葉を耳にするようになりました。子どもがゲームをすることに対して、読者アンケートを実施。「決められたルール内で楽しむなら、友だちとのコミュニケーションとして必要」「時代の流れとして受け止めている」「よい内容、よい面もある」とは感じながらも、「依存しないよう、勉強や友だち、家族との関わりを優先するように注意が必要」「目や頭に影響があるのでは」「ゲーム漬けになるのはよくない、心配」という声も目立ちます。子どもとゲームの付き合い方について、専門家に聞きました。※紙面協力/名古屋リビング新聞社
ゲームとは上手に付き合ってほしい。ルールを設けているリビング読者の声を紹介します。
※読者アンケート(2019/1/1~31、我が家のゲームのルールについて)から
- 「明日の準備、宿題、毎日の勉強など、やることが全部終わってから。親にゲームをやっていいか聞いてからがルールです。全くだめとは言わず、やるべきことを終わらせてから。ただ、だんだんと約束を破ってゲームを先にしたり、長時間になって、叱ったり、取り上げることもあります。本音はゲームでない遊びをしてほしい。(43歳)
- 「制限時間を設け、汚い言葉は使わない」。友人との交流や機械を器用に扱うことで習得できることもあると思いますが、のめり込むと、運動不足や、異次元と現実の境が分からなくなる、といった恐れがあります。(36歳)
- 「スマホゲームの場合、有料のものはやらない」と決めています。キッズユーチューバー等の影響で、ゲームアプリは子どもの方が詳しかったりします。頭を使うゲームも多く、大人でも楽しめるものもあるため、一緒に楽しむ時間として利用することもあります。ただプレイ時間は制限しないと、本当に延々とやっているので困りものです。(33歳)
- 「やっていい時間を決めておく」。いろいろな体験をすることは大切なので、排除はしたくありません。小さいうちは、「ゲームは、特別な日にだけ」という位置付けでいいと考えます。(32歳)
- 今の世の中、子どもにゲームをさせないのは難しい。ゲームの種類は体感系を選び、親子でコミュニケーションが取れるようにと考えています。(45歳)
- 「成績が下がったら没収」。好ましいとは思いません。(44歳)
- 「一定時間、宿題をやってから」。中学生になり自室を与え、子どもの自制心を信じて任せていますが、暇さえあればゲームざんまい。(51歳)
- 1週間で定量を決め、「ゲームチケットを支払ってからやるシステム」をとっています。子どもの余暇なので、テレビと同等と考えています。(48歳)
- 「学校があるとき、友達と遊ぶ日だけはゲームをやってもよい。学校が休みのときは、親が見ているところでやり、止めなさいと言われたらやめる」。全て悪いとは思わないし、決められたルールがあれば、メリハリをつけ、友だちとのコミュニケーションの一つとしてやってもいいと思います。(48歳)
- 「時間を決めてからやらせる」。待たなければいけないとき、子どもはじっとしていられないので、ゲームをやらせてしまう。よくないと思う部分もありますが、そういうときは利用してしまいます。(47歳)
- 「ネットにつなげての対戦参加型ゲームはしない。時間を決めて、親のスマホに遊んだ履歴が反映されるように設定している。成績が下がったら次のテストまで一切やらない」。適度な遊びから、学ぶことはゼロではないと思うので、自分からやりたいと言えばやらせます。ただルールをしっかり守ってという条件付きでしかやらせたくはありません。(43歳)
楽しい以外の、のめり込む理由は?
親子で対話するきっかけに
最近、耳にするようになった「ゲーム障害」。今年5月には、WHO(世界保健機関)がこのゲーム障害を新たな病気として国際ガイドライン(ICD-11)に追加しました。
愛知県精神保健福祉センター所長の藤城聡さんは、「インターネット依存の大部分がゲームの依存。主に、インターネットでつながるオンラインゲームに熱中し、学校よりゲームを優先し、食事をとらず入浴しないなど、有害な結果が生じているのにエスカレートしている状態が『ゲーム障害』です。アルコールや薬物の依存症とは異なり、“物質に依存しない”依存は行動嗜癖(しへき)と呼ばれ、カジノ法案による『ギャンブル等依存症対策基本法』が昨年成立したことでも、病気である認知が進みました」と話します。
子どもがのめり込んでしまうのではと、読者からは心配の声も。
「まずは、家庭でのゲームの使い方に関するルールづくりをしましょう。現代社会でネットを一切使わないことは考えにくいです。長時間やりすぎている場合は、断ネットではなく節ネットから。のめり込む理由は、楽しい以外にもあります。怒るだけでは改善しませんから、子どもの声を丁寧に聞き、親子で対話するきっかけにしてみませんか」。下の表もぜひ参考にして。
ネット漬け生活を予防するには
ゲームは刺激が強く、面白いようにできています。
夢中になりすぎると、それ以外のものがつまらなくなってしまいます。
ゲーム以外の楽しめる活動を増やすように心掛けましょう。
- 部活や運動、図書館など、ゲーム類が自由に使えない環境にも、居場所を作りましょう。
- 親子で楽しめる活動に取り組んでみましょう。親も楽しいことがポイントです。
- 家にこもりっきりではなく、休日でも、1日1回は外出しましょう。
- 日記を付け、ネットで使った時間も記録しましょう。
- 寝る前にやると、興奮が続き寝付けません。スマホは寝室に持ち込まず、充電は寝室以外で行いましょう。
- 依存症相談窓口
- 滋賀県立精神保健福祉センター
- TEL:077(567)5010
- 平日 9:00~16:00