悲しみののっぺりフェイスを何とかしたい!
9月30日から始まるNHK連続テレビ小説「スカーレット」。作品の主な舞台は信楽です。滋賀県民にとって見逃せないこと間違いナシとなりそうなこのドラマの魅力にぐぐっと迫ります。まずは、ヒロイン・川原喜美子を演じる戸田恵梨香さんのインタビューをお届けします。
SPECIAL INTERVIEW
戸田 恵梨香さん
強く明るく愛情深い 働く女性の成長物語です
- ―「スカーレット」の見どころは?
- 信楽焼にひかれ、当時は男性ばかりだった陶芸の世界に飛び込んでいく女性の物語です。主人公の喜美子は元気でしっかり者の長女。家族を支えながら、出会いと別れを繰り返しつつ成長していきます。喜美子の強さと他人のために頑張れる愛情の深さ、周囲を明るくする笑顔が何よりの魅力です。
- ―実際に陶芸シーンも演じているそうですね。
- 約3カ月間陶芸の稽古をしました。土を練る作業はとても力が必要なので、陶芸の先生は筋肉質な人ばかり。〝15歳の喜美子〟を演じる時は10代らしい丸みのある体形にして収録したのですが、これからは大人の女性になっていくので〝陶芸家の喜美子〟らしい筋肉質な体にしていけたらと思っています。
滋賀の豊かな自然に力をもらえました
- ―信楽をはじめ、滋賀県内でのロケで感じた、滋賀の印象は?
- 「ずっと深呼吸していたい」と思えるほど、空気がおいしいですね。太陽を浴びて、豊かな自然から力をもらえました。現地スタッフさんもエネルギッシュで、地元のエキストラの皆さんや協力してくれたたくさんの人たち、みんないきいきしていたのが印象的でした。差し入れもいただき、街も人もすごくあったかいなと感じました。
- ―放送を楽しみにしている人たちにメッセージをお願いします。
- 喜美子はみんなに力と愛情と笑顔を送り続ける人。同時に、何か疑問を感じた時、妥協せず徹底的に答えを探す強さも持っています。5カ月演じてきましたが、どんどん喜美子を好きになっていく自分がいます。見る人が元気になれる作品になっていると思いますのでお楽しみに!
滋賀県での撮影秘話、
いろいろ聞きました
連続テレビ小説「スカーレット」の県内での撮影に関するコーディネートを行っているのが、滋賀ロケーションオフィスと、この4月に甲賀市役所内に立ち上げられた「ロケーション推進室」です。担当者の2人に話を聞きました。
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- 滋賀ロケーションオフィス
- 増本喜久さん
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- 甲賀市産業経済部 観光企画推進課 ロケーション推進室
- 小嶋毅さん
撮影場所はどうやって決めるの?
増本さん・小嶋さん ドラマの制作担当者から撮影場所に関する要望を聞き取ったら、少人数のスタッフで数カ所を車で見て回ります。しかし、一度で決まらず探し直すこともしばしば。特に「スカーレット」は幼いヒロインが戦後間もなく信楽にやって来るという設定なので、こうした時代の風景として自然な場所を探さねばならなかったのですが、これが大変でした!
小嶋さん 信楽は窯業の街なので、その時代の窯業の在り方と共に街はどんどん姿を変えてきました。例えば電気窯が登場した際には、それまで使われていた登り窯が取り壊され、現存しているものはほとんどありません。そんなわけで、撮影場所探しには苦労しましたが、そこで活躍してくださったのが、地域の方々です。寄り合いなどにお邪魔して「こんな場所を探しているんですが」と相談すると、「それなら、○○の畑の裏に…」といった超ローカルな情報がもたらされたことも(笑)
増本さん 甲賀市を除いた滋賀県内の撮影場所については、滋賀ロケーションオフィスで手配しました。今回特に悩んだのは「琵琶湖」。日本の原風景にふさわしい、人工物のない場所がなかなか見つからず、車で琵琶湖を何周もして…(笑)。粘りに粘って、ようやくピッタリの場所を見つけました!
地元の人たちとの関わりは?
小嶋さん 陶工役のエキストラは信楽焼に関わる組合や関連施設に声をかけ、焼きものづくりの心得のある人に協力を依頼しています。また、京都で行った大規模ロケについては、甲賀市役所のホームページ上でエキストラ募集をしました。
地元の皆さんは撮影に協力的で、ロケ地の設営でも非常に助けられました。地元からメロンの差し入れがあったり、ロケ地近くの農家さんから地元産のイチゴで作ったシロップのかき氷なども振る舞われていましたよ。
増本さん 甲賀市外の撮影については、滋賀ロケーションオフィスが募集したエキストラに参加いただきました。
甲賀市以外にもこんな場所で
撮影が行われました!
姉川河口(長浜市)、畑(はた)の棚田(高島市)、三雲城跡(湖南市)、旧鎌掛小学校(日野町)
あなたはいくつ覚えてる?
物語に〝滋賀県〟が登場した朝ドラ作品は…
- 鮎のうた(1979年)
- 山咲千里さん(幼少期は康乗美代子さん)演じるヒロインの故郷として長浜が登場。
- はっさい先生(1987年)
- 大阪の旧制中学校(男子校)に赴任してきたヒロイン(若村麻由美さん)の疎開先として近江八幡が登場。
- べっぴんさん(2016年)
- 芳根京子さん(幼少期は渡邉このみさん)演じるヒロインの父の生家が〝近江〟という設定。ヒロイン疎開先として登場。