滋賀の恵みを手軽に味わえる【ほりかふぇ】
滋賀の自然の恵みから生まれた日本酒に和菓子。
それらを一緒に味わってみると、いったいどんなおいしさに出合えるでしょうか?
滋賀のおいしい和菓子、
日本酒に合わせてみると…?
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A比叡杉(ひえすぎ)羊羹
〈黒糖〉上品な甘さでもう一口食べ進めたくなるあんこの味、手軽に食べきれるサイズ感、さらに包丁を使わなくても切り分けられる画期的なデザインの容器(詳しくはお店のホームページの動画をぜひ)。いずれも代表・栢口(かやぐち)智司さんの工夫のたまものです。今回紹介した黒糖のほか、小豆・抹茶の味もあり。各種とも1本540円
大津菓子調進所 鶴里堂(かくりどう)=大津市京町1-2-18、TEL:077(523)2662。午前9時~午後5時、日曜休。
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B大津絵煎餅
創業は昭和7年。「原料は卵、小麦粉、砂糖、重曹のみ。生地の配合も作り方も当時のままです」と4代目の森本忠喜さん。素朴な甘さと卵の風味、それに焼き印された大津絵の香ばしさが幸せなハーモニーを届けてくれます。宿泊・観光施設などのほか、今年からは地元スーパーでも販売。5枚入り350円、10枚入り540円
大忠堂=大津市観音寺8-17、TEL:077(522)3204。午前9時~午後6時、日祝休。
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CMIO(ミオ)
宝石のようなこの琥珀(こはく)糖は、4代目の西沢勝仁さん・有莉さん夫妻が考案。地元産のアドベリーを軸に「伝統的な技法3・革新的な試み7」のコンセプトで立ち上げたブランド「NANASAN」の代表作。外側はシャリ、中はとろり、その奥にはもちっとしたアドベリーゼリー。三つの食感を楽しめます。10個入り1620円
とも栄=高島市安曇川町西万木211-1、TEL:0740(32)0842。午前9時30分~午後6時30分、元日のみ休業。
懐深し!日本酒の可能性探ってみよう
日本酒と相性のいいアテといって連想するのはなんでしょう? 滋賀名物の王道・湖魚のつくだ煮やふなずし、漬け物やチーズなどの発酵食品、それに和食全般―。最近は、洋食に合うお酒もたくさんありますね。
では、スイーツは?ということで、今回はお菓子の中でも地元・滋賀の和菓子とのペアリングを探ってみました。
「お酒とも合いそうで、贈り物にもぴったり」といった視点から編集部が選んだ和菓子は上の三つ。これらを持って、滋賀県内にある3軒の酒蔵を訪れました。
三つの蔵を訪ね、
それぞれの和菓子に合う
お酒を選びました
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紹介した9種類はいずれも食事に合い、単体で飲んでもおいしいものぞろい。
しかし和菓子といただくと、また違った可能性が―。和菓子と酒、双方の魅力を引き出し合う〝ペアリングの不思議〟を体感してきました。
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平井商店平井将太郎さん
大津市中央1-2-33、
TEL:077(522)1277
- A浅茅生(あさぢを)
特別純米吟吹雪 無濾過生原酒 - (720ml・1570円)
「ようかんには、どっしりとした味のお酒が合いそう。このようかんは黒糖の香りが華やかなので、それに負けないようにするには…」と平井さんが選んだのが、米の複雑な味わいを楽しめる無濾(ろ)過生原酒。お酒のキリッとした辛みがようかんの上品な甘さを引き出してくれるうえ、生酒と黒糖の華やかな余韻で洗練された味わいに。両方冷やしていただくのがおすすめです。
- B浅茅生 特別純米酒造り 三百三十年
- (720ml・1210円)
「ベーシックな味わいのお菓子には、やはりベーシックなお酒が合うのでは」と出てきたのが、この辛口の純米酒。米の甘みとうまみが口の中に広がって、せんべいの素直な甘さと見事に同調。そして、酒の辛みがググッと引き立つところもポイントです。「共に昔から地元・大津で親しまれてきたもの同士。引き合うところがあるんでしょうね」と平井さん。
- C浅茅生 純米吟醸 ひと夏
- (720ml・1595円)
「一口食べると、しゃりっとした砂糖と寒天のやさしい甘さが楽しめて、もう一口食べると、果実の酸味で味に幅が出て、面白いお菓子ですね。涼やかな風味のお酒が合いそう」。―と選ばれた夏限定酒(8月下旬頃まで販売予定。数に限りあり)。口元に運んだだけで、スーッと爽やかな香りが漂います。自分でいただくのもいいですが、おしゃれな女友達への贈り物にもおすすめ。
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北島酒造北島友美さん
湖南市針756、TEL:0748(72)0012
- A御代栄(みよさかえ)
しぼったそのまま一番酒 - (720ml・1571円)
搾ったそのままのお酒(無濾過生原酒)を低温貯蔵して、熟成させたのち火入れして瓶詰めにした一本。とろりとした口当たりと穏やかな香り、まろやかな米のうまみがようかんの品の良い甘さとマッチ。「当社の中では甘さ・コクが強めのお酒。糖と糖のコンビネーションが効いてますね」と北島さん。「あんこと日本酒は好相性。このようかんより甘みの強いあんこには、にごり酒も合いますよ」
- B御代栄 高級仕込
- (1800ml・1980円)
「ご近所さんが『御代栄ちょうだい』と言って買いに来るのは、大体このお酒。懐の広い味わいが特徴です」。そんな昔から愛され続けてきた普通酒。シンプル・イズ・ザ・ベスト!と言いたくなるようなやわらかい飲み口と、気取らないしみじみとしたおいしさが、卵せんべいの素朴な風味にバチッと合いました。まさに、似た者同士の好相性。秋~冬なら、ぬる燗にして合わせてもいいかも!
- C大吟醸 御代栄
- (720ml・4271円)
「フルーティーな味わいのお菓子には、フルーティーなお酒を」と、蔵の大吟醸酒を試飲して最終的に選んだのが、香りが最も華やかだった「白大吟」と呼ばれるこの商品。山田錦を精米歩合35%とぜいたくに磨き、丁寧に醸し上げ、この香りが実現しました。「天女のような女性のイメージ」と北島さんが評する通りの、優美な味。宝石のようなお菓子に合わせるのにうってつけです。
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美冨久酒造岡本六之さん
甲賀市水口町西林口3-2、TEL:0748(62)1173
- A山廃仕込 純米吟醸酒
美冨久 酏吟(いぎん)純聖 - (720ml・1760円)
「甘さしっかり系のあんこには熟成酒のような濃い味の酒も合いますが、このようかんの上品な甘さを引き立てるのは…」と行き着いたのがコチラ。山廃仕込みならではの酸味と、黒糖の複雑な甘さの最強タッグが誕生! 「酒からくる米の甘みの後に、ようかんの甘みが出てきますね」。ようかんと酒、共に冷やすも良し、常温でいただいてもまた良し(味に幅が出て、絶妙なまったり感)でした。
- B山廃仕込 純米
熟成酒 美冨久 純米酵房 - (720ml・1210円)
山廃仕込みの純米酒を3年以上熟成させた黄金色の酒は、カラメル香を含んだ豊かな香り。純朴な少女を思わせるやさしい風味の卵せんべいが、これと合わせると気高い貴婦人のような別の顔に! そんな驚きが楽しめて、どちらもよりおいしく感じられます。「このお酒の洋酒っぽさと、カステラに似た風味のせんべいの〝洋〟の雰囲気が好相性。ニュアンスが近いと相乗効果で良さが引き立ちます」
- C純米吟醸 コールド ミフク
- (720ml・1430円)
目にも涼やかなルックス通り、すっきりとした味わいの夏限定酒(8月下旬頃まで販売予定。数に限りあり)。「フルーティーでありつつも香りが強すぎないので、寒天の繊細な味を引き立ててくれます。そして、ほどよいキレと酸味もあるんですが、それがアドベリーの酸味とシンクロして、上手い具合に引き立て合ってくれています」(岡本さん)。お酒もお菓子もキリッと冷やしてどうぞ。