
正月明けの体の不調に 冬の5分〝家トレ〟
鏡を見て、マスクを外した自分の顔に「ちょっとたるんだ?」と思ったことはありませんか。それ、表情筋の衰えが原因かもしれません。マスク生活とフェイスラインの関係を専門家に聞いてみました。〝たるんだ顔〟への対策術も紹介しています。イラスト/オカモトチアキ 記事提供/京都リビング新聞社
「そもそも顔のたるみは、頬の脂肪を支える表情筋の衰えが主な原因。通常、20代以降は加齢とともに頬が下がってきます」とは、京都医療センター・形成外科科長の荒田順さん。たるみについて教えてもらいました。
「人間は誰かに見られていると、良い印象を与えようと自然に口角が上がります。しかしマスクで顔が隠れると、緊張が解けて表情がゆるみます。この無意識の変化から筋肉の動きが減り、通常よりも衰えのスピードが加速。マスク生活を機に、たるみが顕著に現れたと考えられます」
また、顔のむくみも関係しているそう。
「筋肉を動かさないと、リンパ管へのポンプ作用が弱まり、リンパの流れが悪くなります。そうなると顔から首にかけてむくみ、輪郭もぼやけてきます」
「デンマークでの研究によると、2週間運動をしないと若者は筋力の3分の1、高齢者は4分の1を失うという報告も。表情筋は小さく、使わないとすぐに衰えます。継続して動かすことが、たるみの予防・改善につながります」
どんな動きを意識すればよいのでしょうか。
「そしゃくで使う口周りの筋肉と、フェイスラインを維持する筋肉は違います。下顎にある顎舌骨(がくぜっこつ)筋や、首から顎にかけての広頚(こうけい)筋が衰えると、顎周りの肉が下がって二重顎になっていきます。頬が垂れ下がるブルドッグ顔の改善には、笑筋(しょうきん)を動かしましょう。笑顔を意識して口角を上げたり、表情筋トレーニングを取り入れてみて」
マスクによる口周りの乾燥もケアが必要とか。
「皮膚が突っ張ると、筋肉が動かしにくくなります。マスクを外したらしっかり保湿し、いつもより大げさに表情をつくるのもおすすめです」
教えてくれたのは
独立行政法人 国立病院機構 京都医療センター 形成外科科長
荒田順さん
https://kyoto.hosp.go.jp/