悩めるくすみ肌をリセット
秋の夜長は、家でスマートフォンやタブレット、パソコンを使う時間が増えますね。そんな中、目の疲れを感じている人も多いのでは。そんな〝デジタル漬け〟から起こる目のトラブルを知り、予防・対策をしましょう。イラスト/かわすみみわこ 記事提供/京都リビング新聞社
近距離を見続けると、毛様体筋の緊張で疲れ目に
デジタル機器の長時間の使用は、目や体、心にさまざまな症状を引き起こすといわれています。それらの症状が「VDT症候群」。京都市立病院眼科部長の鈴木智先生が教えてくれました。
「近くを見るときは両眼が内側に寄り、ピントを合わせるために眼球にある毛様体(もうようたい)筋という筋肉が収縮して、水晶体が厚くなります。これらの動きには、副交感神経が関わっています。デジタル機器の画面を見続けると、毛様体筋が緊張して副交感神経が優位になった状態が続くため、目が重い・痛い・かすんで見えづらい、肩こり、頭痛といったVDT症候群の症状が生じやすいのです」
休息をとっても症状が続く場合は、「眼精疲労」という病気の可能性が。
最近よく聞く「スマホ老眼」も、スマートフォンを長時間見た結果、生じる老眼のような症状。「医学用語ではありませんが、毛様体筋が緊張してピントがうまく合わない状態を指すようです」
近年、子どもの近視が急増している背景にも、デジタル機器の普及があると考えられています。
気づかない人も多いドライアイ 原因はまばたきの減少や空気の乾燥
さらに、最近多いのが「ドライアイ」。「通常、人は1分間に12~13回のまばたきをしますが、集中してスマホやパソコンを見ていると、それが1分間に1~2回まで減るといわれています。すると、目から涙が蒸発する上、涙腺からの涙の分泌も減少します」。エアコンによる乾燥、コンタクトレンズの着用といった要因が重なると、より目が乾きやすい状態に。
また、涙には脂分も含まれ、涙の表面に膜をつくって蒸発を防いでいます。その脂を分泌しているのが、まぶたにある「マイボーム腺」。加齢や目の汚れなどが原因で、マイボーム腺からの脂の分泌が不足することもドライアイの一因です。
「ドライアイは、気づかずに放置している人も多いですが、悪化すると痛みが生じたり見えづらくなったりして、QOL(生活の質)にも影響します。時には眼精疲労やうつ病を引き起こすことも。ドライアイや眼精疲労が疑われる場合は、早めに眼科へ。眼科では検査をした上で、点眼薬などで治療をします」
トラブルから目を守るための対策については、下記ボタンから続きの記事をご覧ください。
- 教えてくれたのは
- 京都市立病院 眼科部長 医学博士
鈴木 智先生