高齢者の〝聞こえ〟の悩みにできること
蒸し暑くなると、気になる周囲や自分の体臭。今回は、誰でも発生する可能性のある〝加齢臭〟を中心に、体のニオイの原因と予防法を専門家に教えてもらいました。
イラスト/かわすみみわこ
記事提供/京都リビング新聞社
年とともに強まる体臭の仕組み
男女ともに、年齢を重ねると体臭が出やすくなるといいます。
「原因は汗と皮脂の状態にあります」と話すのは、京都府立医科大学皮膚科学の丸山彩乃先生。
「汗腺からは汗のほか脂質なども分泌されています。年齢とともに汗腺の機能は低下。汗の量が減少し、相対的に脂質の割合が増えます。肌表面に付着した雑菌がこの脂質を分解するときにニオイが発生します。
また、しわが増えると汗が流れにくくなり、脂っぽい汗で皮膚がコーティングされたような状態に。その皮脂が酸化して独特のニオイが出ます」
このような加齢による体臭には、中年期に発生しやすい「ミドル脂臭」と「加齢臭」があります。ただし、年齢だけではなく、生活習慣なども体のニオイに影響するそうです。
ミドル・シニア期の二大体臭
ミドル脂臭
30~50代で、特に男性に多く発生し、「酸っぱい」「脂っぽい」「ツーンとしたニオイ」などと表現される体臭。主に頭皮、顔、背中で皮脂腺が過剰に働き、脂質が分泌されることが原因。
加齢臭
加齢による皮脂の増加のほか、汗腺機能の低下や皮膚の老化などが原因に。首筋、頭皮、耳の後ろのほか、脇、陰部などから発生。40代以降で発生しやすくなり、「酸っぱい」「ほこりっぽい」といったようなニオイがするといわれます。
いずれも個人差が大きく、男性でもあまり臭わない人もいれば、強く臭う女性もいます。