
体温を知ってヘルスケア
食のトレンドワードとなっている「ムードフード」。一体どんな食品なのでしょう。その効果などを専門家に聞いてみました。
イラスト/福岡麻利子 記事提供/京都リビング新聞社
ムードフードの「ムード」は「気分」「情緒」を意味し、心を整える食べ物のこと。食べると緊張や不安が和らいだり、よく眠れたり。そんな心身を整える作用がある食品を指しているそう。
「確かに、食品成分の中には体だけではなく、心にも影響するものがあります。緑茶のテアニン、チョコレートに含まれるGABA(ギャバ)などが有名ですね」と話すのは料理研究家で管理栄養士の吉村雅子さん。そういえば、ドリンクやお菓子のパッケージで見たことがあります。
「そういった成分を生かした商品も増えていますね。昨年はストレス緩和や安眠効果をうたった乳酸菌飲料がヒットしました。社会情勢も影響して、心が不安定になりストレスを抱えている人が多いということではないでしょうか」
〝ムードフード〟にあたるものは、乳製品や大豆製品、ハーブ類などほかにもあるそうですが、「おなじみのビタミンやミネラルなどにも興奮を鎮める、自律神経を整えるといった働きがあります。さまざまな栄養素をとることが心にも効果的といえるでしょう」。
※( )内はその栄養素を含む食品例
機能を発揮する成分別に、ムードフードを吉村さんに紹介してもらいました。
緑茶に含まれる「テアニン」は精神安定の効果が。カモミール、ラベンダー、レモンバーム、ローズマリーといったハーブは、それぞれストレスを解消する成分や、緊張を和らげ安眠作用をもたらす成分などを含有。
チョコレートの原料となるカカオや、発芽玄米、発酵玄米、発酵食品全般に多く含まれる「GABA」〈γ(ガンマ)-アミノ酪酸〉。血糖値の上昇を抑える、血圧を下げる、ストレス軽減などの働きが期待できます。
大豆製品や乳製品、魚、ナッツ類、穀物などから摂取できる必須アミノ酸「トリプトファン」は「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの材料になり、抗うつ、生体リズムを整えるなどの効果を発揮。