〝聞こえの悩み〟に補聴器という選択肢を。新日本補聴器センターを見学してきた
自宅に住み続けるか、施設に入居するか。介護を受ける場所にもさまざまな選択肢があるよう。専門家に、自宅や各種施設で受けられる介護サービスについて聞きました。
イラスト/オカモトチアキ 記事提供/京都リビング新聞社
在宅介護は自宅や地域の環境をチェック
自宅での介護について、京都府地域包括・在宅介護支援センター協議会の川北雄一郎さんに話を聞きました。
「在宅介護は住み慣れた家で暮らしながら、本人や家族の状況に応じた介護サービスを利用するのが一般的。自宅を改修したり福祉用具を取り入れることで生活しやすい環境を整えます。家事の支援や介護が必要な場合はホームヘルパーを利用したり、入浴やリハビリ、他者との交流にはデイサービスなどが利用できます。
ただ、自宅といっても一戸建てか集合住宅か、持ち家か賃貸かで改修しやすさが変わりますし、地域によっては対応している介護サービスの数が限られるなどの違いがあります。
また、家族が遠方の親を呼び寄せるなら、環境の変化にも配慮を。慣れない土地での暮らしは不安も多いため、親の趣味を踏まえて地域のサークルなど、出かける先も考えたいですね。どこまで環境を整えられるか、事前確認が大切です」
とはいえ、どんなふうに環境を整えればよいかわからないことも。
「まずは最寄りの地域包括支援センターに相談を。生活する上で困っていること、どんな助けがほしいかなどを伝えると、その人に必要な環境や、利用できるサービスを案内してもらえます」
自宅の介護環境を整えるには
住宅改修・福祉用具の導入
足腰が弱くなり歩行や排せつなどが難しくなったら、手すりやスロープを設置したり、和式便器を洋式に替えてバリアフリー化を。改修工事には介護保険(※)が利用できます。また、つえや介護用のベッドなど福祉用具の貸与・購入にも介護保険が利用できます。
※介護や支援が必要になったとき、要介護認定を受けることで、実際にかかる費用の1〜3割の負担でさまざまな介護・介護予防サービスを利用できる制度。65歳以上、または特定疾患に該当する40歳以上64歳未満の被保険者が対象
介護サービスの利用
身体介助や日常生活の支援には、介護保険や民間のサービスの利用を。施設に通う「通所型」、スタッフが自宅を訪れる「訪問型」のサービスがあります。短期間施設に泊まる「ショートステイ」、民間の家事代行や配食サービスなどを併用することで、家族の負担軽減にもつながります。
在宅介護から施設介護へという選択肢も
さまざまな事情で在宅介護を続けるのが難しくなった場合、施設介護を検討することになりますが、「入居希望者の多い施設は、申し込んでもすぐに入居できない場合が」と川北さん。
「待機期間は在宅介護を続けたり、一時的に別の介護施設へ入居する必要があります。1人暮らしの限界や、介護する側の限界が来てからではなく、早めに考えてほしいです。
元気なうちに、安否確認や食事の提供など生活支援サービスを備えた高齢者向け住宅に住み替えるという選択肢もあります。ただし、要介護度が上がったり病気を発症すると退去しなければならないこともあるので、先々のことを踏まえた住まい探しを。
もしものときに困らないよう、どんな暮らしをしたいか、本人と家族で話し合ってください」
- < 教えてくれたのは >
- 京都府地域包括・在宅介護支援センター協議会 会長
川北雄一郎さん