心も身体もポカポカしませんか?
最近SNSなどで印象的な風景写真がアップされていること、多いですね。今回は、いろいろな切り口から〝滋賀の風景〟にアプローチ。1面では、創作活動を行う滋賀ゆかりの人たちに「お気に入りの滋賀の風景」についてコメントをもらいました。※風景写真はイメージです
- 昔からの人の暮らしを感じさせる
大津は〝シック〟な街 - 作家・姫野カオルコさん
4〜5年前の夏、高校時代のミニクラス会に参加するために滋賀に帰ったときのこと。JR大津駅から開催場所の「和食あらい」に歩いて向かいました。私、滋賀生まれですが、大津のことはほぼ記憶になく、それほど遠くないはずなのに道に迷ってしまって。「きっとお店は風情のある路地にあるだろう」と勘を頼りに歩きました。
そのうちに、何だかとてもいいなって思ったんです、街の雰囲気が。重厚な洋館が公の施設として使われていたり、お寺と新しいビルが隣り合わせていたり。目指すお店の明かりが夕暮れの中にポッと見えた情景もよかった。観光客向きの美しさではなく、昔からの暮らしを感じさせる場所が残っていて、急速に子どものころに立ち戻る感覚がして面白かった。初めて来た人は「大津ってこんなシックな街なんや」って印象を持つんじゃないかな。味もおもてなしもすばらしかった「あらい」さんや、顔なじみになった大津の街をまた訪れたいものです。
1958年滋賀県甲賀市生まれ。「昭和の犬」で第150回直木賞を受賞。「彼女は頭が悪いから」で第32回柴田錬三郎賞を受賞。5月中旬には、和食あらいも登場する食べ物エッセー「ケーキ嫌い」が光文社文庫より刊行予定。
- 琵琶湖の持つ〝間〟、里山という名の宇宙
創作の源泉があちこちに - 炭酸デザイン室 水野智章さん・井野若菜さん
水野さん
2016年に山梨から滋賀にアトリエを移転。仕事で息が詰まったとき、よく大津~近江八幡の湖岸をドライブします。湖があり、対岸の街、山、そして空…と水平に広がっていくフラットで優しい景色が好きです。春なら水面から水蒸気が上がっていたり、琵琶湖の向こうとこっちとで天気が違うのが見えたり…そんなゆったりとした〝間〟を感じて、いつしか心がほぐれていくんです。実際、滋賀に来てから、何となくデザインの〝のびのび度〟が上がったといわれます(笑)。
井野さん
大学進学のために滋賀を離れましたが、都会で創作活動をする中で、地元の風景が自分の礎になっていると気付きました。近所の家々や田畑、散歩道の草木や川のせせらぎ、そこに住む人々など楽しい記憶をモチーフに卒業制作をし、以来〝身近な自然や暮らし〟が創作の原動力になっています。
今は昔ながらの風情が残る村に住んでいて、徒歩10分圏内が私の宇宙。田んぼや人が一人通れるくらいの小道など、自然にちょっと人の手が加えられた景色が好きですね。日々の暮らしからインスピレーションを受け、使う人の生活を輝かせるような作品を生み出したいです。
2014年、愛知県出身の水野智章さんと大津市出身の井野若菜さん夫妻により設立。オリジナルテキスタイルブランド「タンサンテキスタイル」をはじめ、企業とのコラボレーション、デザイン提供などを行う。今秋、瀬田の唐橋の中州にある「ギャラリー唐橋」を改修し、新たなショップ&ギャラリーとしてオープン予定。
「リビング滋賀」ウェブサイトでは、現在42人の読者が「地域特派員」として耳寄りな地域情報を発信中。その中で、美しい風景が楽しめるお店を紹介した記事をピックアップしました。
- 【cafe tora(カフェトラ)】
老舗料亭のカフェで
いただく
ふわとろ厚焼きたまごサンド
笑声女史さん
2021年6月16日掲載
笑声女史さんが紹介してくれたのは、建物が国の登録有形文化財に指定されている老舗料亭「魚寅楼」内にある「カフェトラ」。料理やスイーツをいただきながら、「湖国百選」に選ばれた日本庭園の眺めを楽しめます(写真)。
笑声女史さんが訪ねた6月にはあやめがきれいだったそう。そのときにいただいたという「料亭のだしのきいた、ふわふわとろとろの『厚焼きたまごサンド』」も必食ですね!
- cafe tora(カフェ トラ)
- 草津市草津2-12-3、インスタグラム=cafetora_kusatsu
- 午前11時~午後5時45分 ※変更あり
★現在休業中。4月中旬以降土日のみ営業再開予定。 詳細はインスタグラムで確認を
- 「護摩の炎に願いを託す」
比叡山延暦寺の
千日回峰行者特別祈祷
旺玉さん
2021年10月22日掲載
比叡山が大好きで、いろんな角度から延暦寺参拝レポートを投稿してくれている旺玉さん。この記事では、毎年9月・10月に行われる「千日回峰行者特別祈祷」(要予約)の後に訪ねた、延暦寺境内にある「峰道レストラン」を紹介してくれました。「お山の満月パフェ」(700円)など、かわいい和菓子をいただいたそうです。
それにしても、大きな窓から眺める琵琶湖の眺め(写真)、圧巻ですね!
- 比叡山峰道レストラン
- 大津市坂本本町4220、TEL:077(578)2139
- 午前10時~午後5時、無休
※12月中旬〜2月末は木曜・12月31日休
- 琵琶湖の絶景が見えるカフェ
【CAFE ルヴァン】
ゆきさん
2020年10月23日掲載
ゆきさんがドライブがてら訪れたのは、高島市・白髭神社の近くにある「CAFE ルヴァン」。窓側の一枚板のカウンター席からは、写真のような眺めが楽しめたそうです!
コーヒーと、ほんのり優しい甘さのミルクプリンをいただきながら、キラキラ輝く湖面に見とれたとのこと。席によっては、小さな窓から琵琶湖を切り取った景色を楽しむこともできたり、テラス席もあるそうですよ。
- CAFE ルヴァン
- 高島市鵜川296-1、TEL:0740(20)1331
- 午前11時~午後5時、水曜休
琵琶湖や山、森、田園、集落などが連なる広がりのある景観が多く見られる滋賀。「滋賀の眺望景観ビューポイント」事業は、滋賀県と県内13市が、地域の枠を越えて、広域的な眺望景観を守り育てることを目的に平成30年度からスタートしました。
「県内の人に身の回りの風景に対する意識を高めてもらうことが、景観を守ることにつながると思います」と滋賀県土木交通部都市計画課の増田浩司さん。例えば、「大津市雄松崎から見た、琵琶湖と松林と比良山」といったように、およそ2km以上の広がりのある自然や街並みの景色を見られるポイントを一般から募集。昨年11月末の締め切り時点で約200件の応募があったそう。
今年の夏頃、応募されたビューポイントの中から一般投票が行われ、「滋賀の眺望景観ビューポイント○選」といった形で発表されます。「フォトコンテストではなく、実際の景色を見て楽しむための施策。『ちょっとここへ行ってみよう』というきっかけになれば」(増田さん)
滋賀の眺望景観ビューポイントの一般投票は、ウェブ、郵送、メール、投票用紙などで誰でも投票可能。詳しくは滋賀県のホームページや広報誌、SNSなどで。
びわこビジターズビューローが、滋賀の観光・物産振興に役立てるために開設している「滋賀フォトライブラリー」。県内の風景写真をストックし、旅行会社やマスコミ、公共団体などに画像を提供しています。
四季折々の自然、名所旧跡、イベントなどの写真が7164点(2022年1月現在)。スタッフが撮影したものや、市町や協力団体から提供されたもののほか、2014年から行っているフォトコンテストの投稿作品も採用されています。
個人としてダウンロードはできませんが、ホームページからどんな写真があるか閲覧は自由。見ているだけでも楽しめます。「しがのフォトコン!!2021」の入選作品は3月に決まったばかり。こちらも併せて注目を。お出かけのヒントにもなりそうですね。
- 写真提供(4点とも)/(公社)びわこビジターズビューロー
- 滋賀フォトライブラリー
- https://www.biwako-visitors.jp/photo/
- しがのフォトコン!!
- https://shigaphotocon.biwako-visitors.jp/
〈注〉フォトライブラリーの中には今はなくなってしまった風景写真も、資料として残している場合があります。