ロイヤルオークホテルでちょっと贅沢なハロウィンパーティー
年々高まりを見せるビワイチ人気。そこで、滋賀の〝自転車の達人〟たちにインタビュー。サイクリングの魅力や楽しむコツを聞きました。サイクリストへのサポートなど、自治体の取り組みも紹介しますよ。
ハンドメイドした愛車に乗るたびに自転車のすごさを実感
「思い出に残っている場所は春の海津大崎。最近はあまり乗れていないので、ゆっくりと観光しながら、テーマのあるビワイチがしたいです」と徳永さん
石山寺の門前近くにある甘味処「茶丈藤村」は、多くのサイクリストが立ち寄るスポット。おかみ・徳永真理亜さんもサイクリストで、高校時代にロードバイクに乗り始めて以来、娘と2泊3日で琵琶湖を一周したり、チームでレースに出場したりと自分のペースで自転車を楽しんでいます。
そんな徳永さんの愛車2台はどちらも手作り!「2011(平成23)年に『びわこぐま』という自転車チームと出合い、フレームを自作するプロジェクトに参加しました。鉄板に足場を組んで鉄パイプを溶接するのですが、まっすぐ走るようにするのは難しかったですね。でも、パイプ4本を組み合わせただけのものが自分を何十kmも運んでくれる…。今でも乗るたびに、自転車ってすごいって感動するんです」
自転車愛好家を応援したいと、同店はサイクルサポートステーションに登録。店を利用しなくても、工具の貸し出しや水の補給などのサービスが受けられます。
瀬田川を見ながら甘いお菓子で一服すれば、疲れも吹き飛びそう。
緋(ひ)毛せんの縁台と手作りのバイクラックが目印。ビワイチコースからは少し外れますが、県内外から多くのサイクリストが訪れているそう
- 徳永真理亜さん
- 茶丈藤村=大津市石山寺1-3-22
TEL:077(533)3900
アマビエが見守る〝サイクリストの聖地〟を目指して
「ゆっくり観光しながら走ってもらえたら。米原で自転車を借り、当ホテルで1泊、米原へ戻るコースがおすすめです」と山極さん。ロビーでは、ビワイチグッズや補給食の販売も
琵琶湖を目前に臨むホテル「琵琶レイクオーツカ」。サイクルサポートステーションとしてのサービスに加え、愛車を部屋に持ち込める宿泊プランやビワイチグッズの販売を行うなど、自転車愛好家に優しい宿としても注目されています。
仕掛け人は支配人の山極明宏さん。5年前からサイクリングに目覚め、しまなみ海道や淡路島など、ツーリング経験も豊富です。「でもビワイチが一番! 坂が少ない、常に琵琶湖を横に見ながら一周できるなど初心者も楽しめる要素が多いですね。季節によって景色の表情も違い、何度走っても飽きません」
昨年、「飛び出し坊や」のマニアだった山極さんのアイデアで、交通安全とコロナの収束を願ってエントランスに「飛び出しビワイチアマビエさま」を設置。
愛嬌(あいきょう)のあるキャラクターが話題になり、わざわざ記念撮影に立ち寄る人もいるとか。新しいサイクリストの聖地になりそう。
「飛び出しアマビエさま」1号機(左)と2号機の「ビワイチ」バージョン。裏面の、少々やんちゃな絵柄は現地でチェック!
- 山極明宏さん
- 琵琶レイクオーツカ=大津市南小松1054-3
TEL:077(596)1711
サイクリングをもっと自由に。走る楽しさに集中できるサポートを
「子どもの頃は運動音痴だった」と笑う浦松さん。今までで琵琶湖を回った回数は1000回以上! 今年は折り畳み自転車と電車を使ったイベントも企画中
「ビワイチってアスリートがするものと思われがちですが、ママチャリだって十分楽しめるんですよ」
そう語るのは「ビワイチ応援サロン」のマスター・浦松武司さん。一時期は競輪選手を目指すほど自転車にのめり込んでいたそう。
1985(昭和60)年に始まり、現在は終了している「琵琶湖一周サイクリング大会」では自転車サポート隊として参加。当時はママチャリが半数だったとか。ここで育まれた琵琶湖一周の精神と仲間の輪を残したいとの思いから、同サロンを立ち上げました。
サロンでは自転車レンタル、道案内やコースの相談のほか、自転車の基本やマナーが学べるイベントも実施。特にこだわっているのはガイド付きサイクリングです。スマホのショートメッセージを使い、間違いやすそうな道のポイント案内や、困りごとにもリアルタイムに対応。利用者からも好評だそう。
「『途中で走れなくなったら?』などの不安を取り除けるよう、ビワイチ初心者にも優しい仕組みをつくっています」とのこと。記者もペダルをこいで琵琶湖の風を感じてみたくなりました。
2泊3日で150kmを走ったという「琵琶湖一周サイクリング」の様子。過去30回の大会で7歳から92歳までさまざまな人が参加しました。「長距離を走る前には、ぜひ自転車店で点検を」(浦松さん)
- 浦松武司さん
- ビワイチ応援サロン(自転車工房ふぃっと内)=大津市一里山1-24-11
TEL:︎077(545)4700
県・市の多彩な取り組みを紹介
ビワイチはもちろん、琵琶湖周辺の地域まで、サイクリングを通じて滋賀の魅力を発信している自治体も。県とリビング配布エリア内の各市に、どんな取り組みをしているかを聞きました。
滋賀県
11月3日を「ビワイチの日」に制定。
〝ビワイチ・プラス〟のマップ作成も
サイクルツーリズムの振興に特化した全国初の条例「ビワイチ推進条例」を4月1日に施行した滋賀県。11月3日を「ビワイチの日」、同日から11月9日までを「ビワイチ週間」と定め、魅力アップを目指しています。
また、サイクリング観光に便利なアプリ「ビワイチサイクリングナビ」を提供。県内各地の自然や歴史スポットなど〝ビワイチ・プラス〟の見どころをまとめたマップ「じてんしゃ旅」も3月に作成、いずれも好評を呼んでいます。
大津市
自転車をキーワードに魅力発信。
サイクルステーションがオープン
大津市では4月28日(木)に〝ビワイチの新たな拠点〟となる大津港サイクルステーション「o-portable(オー・ポータブル)」が誕生。ロードバイクなどのレンタサイクルのほか、大津の食や物産に触れられるカフェ&ショップも併設され、多彩な魅力を発信するスポットに。
また昨秋、琵琶湖のプラスチックごみ削減を目的とした「マイボトルを持ち歩くライフスタイル」の取り組みで、「大津湖岸なぎさ公園打出の森」に登場した給水スポットは、サイクリング愛好者にも評判です。
草津市
JR草津駅周辺から琵琶湖岸へ一直線。
新しいサイクリングロードが開通
草津市では4月7日、JR草津駅と琵琶湖岸を結ぶ新しいサイクリングロードが開通しました。スタート地点は、草津川跡地公園の「de愛ひろば」。かつて天井川だった高台の道に沿って街並みを見下ろし、正面に比叡山や比良山系を望みながら湖へ一直線!という爽快感が味わえるルートです。
今後は、駅前レンタサイクルや宿泊施設との連携など、サイクリング関連サービスの充実を目指して整備を進めていくそう。
栗東市
「RITTOサイクルスタンプラリー」実施。
自然や名所旧跡、眺望と見どころ多数
栗東市は2月末から3月末にかけて、スマホアプリで参加する「RITTO(りっとう)サイクルスタンプラリー」を実施。市内を巡り、ポイントに応じて賞品が当たるシステムで「昨年、好評だった2回目を開催。来年もできたら」と栗東市観光協会。
これからの季節なら、馬頭観音堂前駐車場の横ヶ峯展望所、登録有形文化財が立ち並ぶ岡から六地蔵にかけてがおすすめ。JRA栗東トレーニング・センター乗馬苑横を通る通称グリーンロードでは、柵の向こうに乗馬風景を見ることができるかも。
守山市
自然を体感できる第2なぎさ公園。
「BIWAKO」のモニュメントも人気
守山市では、コロナ禍を機会に琵琶湖岸での五感を使った体験を提案。おすすめは「第2なぎさ公園」。昨年6月に設置された「BIWAKO」の文字をかたどったモニュメントが写真映えスポットとして人気だそう(下)(右)。季節や時間帯で雰囲気が変わるのも魅力。ビワイチのスタート・ゴールの記念に、お気に入りのロードバイクと一緒に、思い出の一枚を残しては。
野洲市
ドウタクくんも〝サイクリングに夢中〟
「ヤスイチマップでおいで野洲!」
これからの季節は「三上山や近江富士花緑公園、銅鐸博物館など、花や緑に包まれるルートがおすすめ」という野洲市。市内のサイクリングコースをビワイチならぬ「ヤスイチマップ」で紹介しています。昨秋、野洲市観光PRキャラクター・ドウタクくんの〝サイクリングに夢中なバージョン〟(下)(右)も誕生。今年度はマップもリニューアルし、ヤスイチサイクルの魅力を発信予定。
「ヤスイチマップでおいで野洲!」と同市観光物産協会は話します。
野洲市観光PRキャラクター・ドウタクくん