
建築中の家で確認したいポイント!建築工房おおすみが手がける住宅を見学
初詣につきもののおみくじ。新年を迎える前に、おみくじにまつわるいろいろな疑問について、専門家に聞きました。滋賀県内の寺社で引けるおみくじについても紹介します。
悪い運勢の時は、境内のみくじ掛けに結んで帰るという人もいるのでは? それは「悪い運勢を引きずらない、持って帰らない」という気持ちから始まった習わしです。
もちろん結んで帰っても問題ありませんが、それではせっかく賜った神仏からのメッセージを忘れてしまいそうですね。吉凶にかかわらず、いつでも読み直せるように財布や手帳に入れて大切に持ち歩くことをおすすめします。
基本的には運勢のいい方から、大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶の順番です。この6種類に半吉や大凶などを加え、10種類以上に区分しているおみくじもあります。寺社によってさまざまなので、気になる時は授与所で聞きましょう。
たとえ同じ「吉」でも、引いた番号によって総合の運勢や項目ごとの運勢の内容は違います。吉凶だけを見るのではなく、各項目に目を通し、自分の運勢を正しく判断することが大切です。
おみくじは、あなたの願いや悩みに対する神仏からのメッセージ。そのため、必ず本殿を参拝して神仏に願いや悩みを伝えた後に引きましょう。おみくじを引く際は、無心になるのではなく願いや悩みを強く念じるように。念じたことへの答えが、おみくじを通して示されるはずです。
悪い運勢を引いた時も、なるべく引き直しは控えて。どんな運勢でも前向きに受け止め、一つの寺社で引くのは一日一回にしましょう。
おみくじは神仏からのメッセージなので、粗末に扱わないようにしてください。たとえ凶を引いてしまっても、絶対に破いたり捨てたりしないように。
運勢は変わるので、「初詣で引いたおみくじの運勢が一年間ずっと続く」と考える必要はありません。凶でも「これから運勢が上向く転機」と前向きに捉えましょう。
平安時代以降には、巫女(みこ)がシャーマンのような役割を果たし、和歌を通して神のお告げを人々に伝えたとされています。神社のおみくじに和歌が書かれているのはその名残であり、お寺のおみくじに漢詩が書かれているのは、中国から伝わった仏教の影響だと考えられています。近年は、和歌や漢詩のないものや分かりやすい言葉で書かれたおみくじも増えています。
教えてくれたのは
比叡山上の北部に位置する横川(よかわ)区域にある元三大師堂
おみくじの原型を考案したのは平安時代に比叡山延暦寺の第18代天台座主であった慈恵大師良源(じえだいしりょうげん)といわれています。良源は正月の三日に亡くなったため、後に元三大師(がんざんだいし)と呼ばれるようになり、比叡山上には、彼が開いた元三大師堂がたたずんでいます。
「おみくじの原型は、元三大師様が観世音菩薩より賜った100枚の偈文(げもん)だといわれています」と元三大師堂の先々代當執事(とうしゅじ)を務めた髙山良彦さん。江戸時代初期、元三大師が慈眼大師(じげんだいし)天海の夢枕に立ち、信州戸隠神社の奥殿にあった偈文の存在を伝え、人々の心の糧にするように告げたことが現在のおみくじの始まりということです。
大吉から凶まで100種類のおみくじが納められています
元三大師堂のおみくじは、一般的なおみくじと引き方が違います。まずは依
頼者が當執事に悩んでいることを相談。その後、當執事がおみくじを引き、そこに示された内容を解説。
「会社の経営や病気の治療法、縁談などさまざまな相談を受けます。おみくじの結果は元三大師様からのご指示なので、依頼者はその結果に従わなくてはいけません。そのため、この『特別みくじ』は、さんざん考え抜き『ご指示に従う』と心に誓った人にだけ授与しています」
また元三大師堂では1月に限り、1年間の運勢を読む「年みくじ」を受け付けています。作法は「特別みくじ」とほぼ同じですが、こちらは相談事を打ち明けなくてもいいので少し気軽に引けそう。「医師が検査データから病気を見つけるように、修行を積んだ僧侶はおみくじから注意すべき点を感じ取ります。心の健康診断を受けるような感覚で、毎年引きに来る人もおられますよ」と髙山さん。来る新年、あなたもいかが。
比叡山延暦寺一山戒光院住職の髙山良彦さん
引いて楽しい、飾ってかわいい!
いろいろなおみくじを紹介します。
日本武尊(やまとたけるのみこと)を祭神にまつる建部大社には、ユニークなおみくじが二つも!