2/3にオープン! 祇園おくむら監修のベーカリー「ORENO PAN」に行ってきました
昔はそこかしこにあった駄菓子屋さん。県内でも減少傾向にありますが、魅力は健在。親世代には懐かしく、子どもたちには新しく感じられて、世代を超えて楽しめるテーマパークのよう。親子で訪れて、ワクワク感を一緒に味わってみては。
昔ながらの趣のある店先には3代目のおばあちゃんが
「小学生のころからお店の手伝いをよくしていました」とほほ笑むのは、野洲市にある「田中安兵衛商店」の3代目店主・田中成子(しげこ)さん。
「子どもたちと会話をしたり、細かい数字を計算したりするのは張り合いがあっていいですね」と話す、「田中安兵衛商店」の店主・田中成子さん
1944(昭和19)年生まれという田中さんの幼いころの記憶は、この店とともにあります。90年以上前、田中さんの祖母が始めた同店を父母が継ぎ、「中学生になると、商品のおせんべいを遠方の工場まで自転車で取りに行ったりも」と、当時を振り返ります。
その後は服飾専門学校へと進み、そこで学んだ技術を生かして洋服のオーダーの仕事をしながら、店を守ってきました。
以前は、進物用の箱詰めの商品を多く扱っていましたが、現在は駄菓子の販売がメインに。
「近所のお子さんの場合、親御さんが200円くらい渡して、ここに『行っといで』とおっしゃるみたい。一生懸命お菓子を選ぶ姿は、見ていてかわいらしいですね」と田中さん。親子2代で通う客も多く、子どもたちにとっても居心地のいい場所になっているよう。
取り扱うお菓子は、自身の孫と一緒に味見をすることが多いとか。どれを買うか迷ったら、アドバイスしてもらうこともできますよ。
選んだお菓子を入れるカゴは、「そのままだと隙間が広くてお菓子がこぼれるから」と、田中さんがひもを巻いてグレードアップ
昔ながらの、少し低めの台に並ぶ駄菓子の数々。子どもたちの目線で商品が選べるのも好評
レトロな店構え。看板を出していないため、趣のある外観が目印に
- 田中安兵衛商店
- 野洲市永原561-1
TEL:077(587)0088
午前9時30分~午後6時30分(季節により6時の場合あり)
月休(不定休あり)
https://www.instagram.com/yasubeshoten/
わが子が喜ぶ姿が開店のきっかけ 〝金券あたりくじつき〟が人気
「駄菓子屋 二丁目商店」は、大津市今堅田2丁目に店を構えます。住宅街の目立たない場所にありますが、学校が終わる時間帯になると、自転車で乗りつけた子どもたちでにぎやかに。
幼稚園のころからお店に通うという、〝常連〟の小学生のKちゃん。この日は、一緒に来店した親戚のお姉さんから「好きなものを買ってあげる」と言われ、いつにも増して真剣なまなざしで品定め
店主の田中香奈子さんがお店を開いたのは、2010年ごろ。きっかけは、わが子を駄菓子店に連れて行った際、2人の喜ぶ姿を見て「いいな」と思ったことから。その子どもたちも現在は中学生と高校生になったとか。
「オープン当初は、いつまで続けようといった目標はありませんでしたが、子どもたちが頻繁に通ってきてくれて。気付いたら10年以上続いていました」と田中さん。
取り扱うお菓子・おもちゃの種類や数を聞くと、「問屋さんのおすすめがあれば入荷していくので分かりません。どんどん増えていくばかり」と笑顔に。
子どもたちに人気があるのは、〝金券当たりくじつき〟のお菓子。例えば、15円のチョコレートを買って100円の金券をゲットできると、さらに駄菓子の中では高価なカップ麺を購入することも可能に。取材中、やってきた男の子が一つ買ってはくじを確認し、また追加で購入…と、作戦を練りながら買い物をする姿を見かけました。
店内には赤いのれんが飾られ、どこか縁日を思わせる雰囲気
住宅街にある同店。両脇の石段はベンチになっていて、腰をかけてお菓子を食べられます
- 駄菓子屋 二丁目商店
- 大津市今堅田2丁目2-27
TEL:077(573)2388
午後3時~6時(土曜は午前11時〜午後5時)
日月火祝休(土が祝日の場合は営業、不定休あり)
https://www.instagram.com/dagashiya2388/
いつでも立ち寄れる 地域の〝灯台〟のような存在に
近所では「おかしやの西長(にしちょう)さん」の呼び名で親しまれる「西村長盛堂」。
戦前に兵庫県尼崎市で創業。野洲市に移転し、現在は3代目の西村茂樹さん・はつみさんがお菓子の卸売り、小売りを行っています。
レジに立つ西村はつみさん。〝看板おばあちゃん〟の西村安子さんの写真とともに
「先代のおばあちゃんが昨年の3月に85歳で亡くなったのですが、数年前まで現役のレジ担当としてお店に立っていました」とはつみさん。
「優しい〝看板おばあちゃん〟で、久しぶりに来られたお客さんがレジに飾ってある写真を見て『もう一回会いたかった』『もっとはよう来たらよかった』なんておっしゃることも」
その後、経理・配達を担当していたはつみさんがレジに立つようになり、「最近は、おかしやのおばちゃん!と声をかけられるようになりました」と目を細めます。
近所の小学校の授業が終わると、子どもたちが店頭のベンチに集まってきて、とてもにぎやかになるそう。
「大人になってから、『思う存分買える!』と再訪してくれるお客さんも。子どもたちはもちろん、そうした人たちがいつでも立ち寄れる、地域の〝灯台〟みたいなお店になれたらいいですね」
通路が広く、のんびりとお菓子が選べる店内。長居する子どもも多いとか
同店の入口。「倉庫兼店舗ですので、入りやすいよう『おかしや』の看板を掲げています」とはつみさん
- 西村長盛堂
- 野洲市西河原2350-1
TEL:077(589)6050
午前10時~午後0時30分、午後2時30分~6時(土祝は通し営業)
日水休
http://www.dagasiya.net/
卸問屋ならではの品ぞろえで活気にあふれる店内
開店と同時に、多くの人がひっきりなしに店内へ。地元の子ども会やお祭りなど、シーンに合わせたお菓子の袋詰めを用意するために、「おかし市場やまかわ」へ訪れたことがある読者も少なくないのでは。
卸問屋である同店が、現在のようなスタイルで駄菓子の小売りを始めたのは約20年前。社長の山川武紀(たけとし)さんは、「時代とともに個人で駄菓子屋さんをされているところが減ってきているので、お客さんに喜んでいただきたくて決断。お店も建て替えました」と話します。
広い売り場に、さまざまな商品が並び〝お菓子の世界に迷い込んだ気分〟に
広い店内にさまざまな駄菓子が所狭しと並び、品ぞろえも種類も豊富。子どもたちが夢中になる様子が、あちらこちらで見られます。
ユニークなのは、その場で購入金額が計算できるよう、商品棚の一角にひも付きの貸し出し用〝電卓〟が備え付けられている点。たくさん用意されていますが、休日には子どもたちが取り合うくらい人気なのだとか。
「活気のあるコミュニティーの一端として地域に根差し、これからも駄菓子の文化を守っていきたいですね」
店の一角にある、ひもが付いた貸し出し用の〝電卓〟
壁のイラストが目を引く同店。これは、建て替え当時に山川さんの知り合いの高校生が提案してくれたそう
- おかし市場やまかわ
- 東近江市青葉町3-17
TEL:0748(22)6655
午前9時~午後6時30分
火休
http://okashiichiba.net/