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誰しも年を取るもの。身近な親の老化にどう向き合っていくか、改めて考えてみませんか。※リビング読者にアンケート。有効回答数474。本文( )内は読者のイニシャル 撮影/二階堂直敬 紙面協力/京都リビング新聞社
いつまでも親には健康で幸せに暮らしてほしいけれど、その思いが時に空回りしているように感じることも─。読者にアンケートを行ったところ、そんな事例が多数挙げられました。
老化がもたらす変化、それに合わせた接し方とは。老年学を専門とする「京都大学 こころの未来研究センター」特定講師の清家理(あや)さん、介護付き有料老人ホーム「京都〈ゆうゆうの里〉」のスタッフ・伊藤智美さん、富山友加里さんが読者にアドバイスしてくれました。
病気はもちろん、食生活や運動不足など親の健康面が気になる読者は多数。つい注意をしたくなりますが…
間食やアルコールを過剰摂取する人は、食事が不十分で空腹である可能性も。年とともに味覚は鈍化し、より甘いものや濃い味を好むようになります。薄味でもおいしく食べられるよう、だしのうまみや香りを活用する、器にこだわるなどひと工夫を。病院に行ってくれない親には「健診は国が勧めていることだから行かないと」と果たすべき役割として伝えるのも一案(清家さん)
退職や配偶者の死が原因で閉じこもりがちな場合は、無理に活動を迫らないように。親の気持ちが落ち着いたら、家事をお願いするなど、役割や居場所づくりを。趣味のサークルを勧めるなら、「付いてきて」とお願いしてみて(伊藤さん・富山さん)
近年問題になっている高齢ドライバーによる交通事故。親に運転をやめてもらいたいけれど、うまく説得できない読者も
通勤や家族との旅行など、人生とともにあった車を奪われるのは、親自身の役割を奪われるように感じるもの。無理やり免許証返納を迫ると逆効果に。手放さない理由をきちんと聞いたうえで、交通手段や、運転に変わる新たな趣味を見つけてあげるなど代替案を提案して。警察庁の「安全運転相談窓口」では、高齢ドライバーやその家族からの相談も受け付けています(伊藤さん・富山さん)
親が頑固になった、怒りっぽくなったなどという声も。年とともに愚痴が増える傾向もあるようです
高齢になると高音が聞き取りにくくなります。それにより、相手の話すことをうまく理解できず混乱し、怒りっぽくなっている可能性も。低めの声で、ゆっくり短い言葉に区切って話すことを心がけましょう。また耳あかがたまっている場合もあるのでケアを促して(清家さん)
老化に伴い、『先鋭化』といって悲観的、怒りっぽいなどの性格がより強く現れることも。また、加齢とともにできなくなることが増えたいら立ちが、怒りや愚痴として現れる場合もあります。よく話を聞き、親が本当に伝えたい思いをくみ取って(伊藤さん・富山さん)
親の住まい、特に冷蔵庫が片付いていないとちゃんと暮らせているのか心配に。
高齢になると変化に対応しづらくなりがち。片付かないことを責めるのではなく、「これは〇個ないと心配?」「あれは何に使う予定?」など、物の多さを視覚化しつつ、それぞれにどんな思いや考えがあるのかを聞いて一緒に仕分けを。勝手に捨てるのは親の不安を増幅させるので極力避けて(清家さん)
想像以上に体を動かすのがつらい、また「年だからどうなってもいい」といった心の落ち込みが原因の場合も。同じものを買う、買ったことを忘れる、というのは認知症の前ぶれなので、主治医に相談を(伊藤さん・富山さん)
「人間の脳は40代ごろから委縮し始めるといわれています。進行すると意欲がなくなる、感情が制御できなくなるなどの症状が現れることも」(伊藤さん・富山さん)
時に理不尽と思われるような親の言動も、脳機能の低下によるもの、ということを理解すれば、子も冷静に対応できるかもしれませんね。
また、環境の変化も親の心理に影響を及ぼすよう。清家さんによると、「仕事を退職、子が巣立ち、体力もなくなり…。高齢になると、さまざまな喪失体験が重なります。心に穴が開いた状態の親に、あれもダメ、これもやめてと行動制限をするのは逆効果。まずは向き合って、じっくり話を聞くことが大切です」とのこと。
人生の先輩として尊敬の念を忘れず、親の生活に干渉しすぎないことも重要、と3人。
場合によっては認知症の前段階として、第三者のサポートや助言が必要になることも。
「まだこのくらいでは、と思わずに、早めに地域包括支援センターなどで相談を。その際は、親の言動の変化など気になる点をメモして持参するのがおすすめ。親を見守る援軍は多いに越したことはありませんよ」(清家さん)
<これはなるべく避けて!>