「うちのお義母さん」【こそだてDAYS】
新しい人間関係が始まる季節到来。そこで今回は、初対面はもちろん、その後の印象も大きく左右する「声」や「話し方」に着目してみました。 イラスト/かわすみみわこ
〝いい声〟〝苦手な声〟感じ方はいろいろ
リビング読者に「自分が経験した『いい声』『苦手な声』に関するエピソード」を尋ねたところ、204件の回答がありました。その一部を上で紹介しましたが、共感できるエピソードはありましたか?
ちなみに「いい声」に関する回答は本当に人それぞれで、穏やかなトーンの優しい声を好む人もいれば、ほどよくテンポのよいハキハキした話し方を好む人も。
一方、「苦手な声」についての回答で多かったのは「何を言っているのか聞き取れずに困った」というエピソード(原因は声の小ささや早口などいろいろ)。マスクをした状態で話す機会が多いと、こうしたストレスはより感じやすくなっているかもしれませんね。
では、好印象を与える「いい声」を手に入れるには? 2面ではボイス・インストラクターの女性を取材しました。
声質や滑舌(かつぜつ)のコンプレックス、年齢に伴う変化など、声の悩みは人それぞれ。記者二人がボイス・インストラクターの女性からレッスンを受けながら、「いい声」のためにできることを探りました。
教えてくれたのは
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郷千里 さんボイス・インストラクター、物理療法整体師。「びわボイス」代表。滋賀リビングカルチャー倶楽部主催・カラオケJOYJOY 大津膳所店で実施中の「enjoy! カラオケレッスン」も好評です
- 郷さんの指導のもと、おなかから息を吐きながら声を出してみますが、意外と難しい! 撮影協力/カラオケJOYJOY大津膳所店
「声質は、声帯の長さや太さ、肺活量、ホルモンバランスといった肉体的要素や、その人の性格や気分などの心理的要素などが複雑に絡み合って決まります」と話すのは、ボイス・インストラクターの郷千里さん。
その分、声の悩みも人それぞれ。ちなみに私・40代の記者Kの悩みは「老け声」。地声がますます低くなってきた上に、最近は枯れてきた気が(泣)。「ホルモンバランスの変化が原因かも。加齢に伴い女性ホルモンが減少すると声が低くなるといわれています。もう一つは、喉の筋力と潤いの低下。しゃべる機会が少ないと、ますます落ちてしまいます」
続いて、20代の新人記者Yの悩みは?
「声を聞き取ってもらえないことが多いです。滑舌が良くないのでしょうか」。すると郷さんは「滑舌は悪くないし、きれいな声をされていますよ。ただ、声が若干ふわっと浮いているかも。ちょっと自信のなさが出てしまっているのかな?」
そこで、発声練習をしてみることに。まずは足を肩幅に開き、地面にしっかりつけて立ちます。「Yさんは重心が下りていませんね。声が浮くのはそのせいかも。Kさんは肩と胸に力が入っているので、声が前に出にくくなります。力を抜いて」
実際に声を出してみると、写真の通り悪戦苦闘。「いい声を出すには、いろんな筋肉を上手に使う技術が必要」と実感しました。顔の筋肉を意識するだけでも、出る声が結構変わります。「顔の筋肉はすべて連動しているので、目を大きく開けながら話すと口角も上がり、はっきり明るい声が出ます。これを意識すると表情も豊かになるので、マスクをしていても聞き取ってもらいやすくなりますよ」
さらに、郷さんからは「『いい声』には心のあり方も大事」というアドバイスも。「身体・心・技術の三本柱がしっかりしていると、持っている声が輝きます!」。あなたも今日から「声美人(声イケメン?)」を目指しませんか。
声の出るしくみ
人の体で発声を担っているのは、軟骨で囲まれた管状になっている「喉頭」(口と肺をつないでいて、そこを空気が出入りする)で、その喉頭の内側に、筋肉と粘膜でできた「声帯」が左右にあって、声を出す際にはこの声帯が動いて管の真ん中で接触。そのすき間を空気がすり抜けていくときに声帯の粘膜が振動し、音が出ます。さらに、その音がのどや口の空洞で響くことで音が大きくなったり発音が変化したりして「声」として出されます。
参考/日本耳鼻咽喉科学会ホームページ
- 滑舌(かつぜつ)を良くするには、母音をはっきり発音すること。発声練習の定番「アエイウエオアオ カケキクケコカコ…」をワ行までやってみて。目を上に上げるイメージで声を出すと唇もしっかり動きます
- 「いい声」を出すには舌根を下げ、空気がたくさん通るようにして、吐く息に声をのせることがポイント。しかし普段生活をしているだけでは舌根まで動かすことはほとんどありません。舌を思い切り「ベーッ」と出すのを10回繰り返すトレーニングで舌の筋力をつけましょう。口の中で舌を回すのも◎
- 喉頭・声帯のうるおいを保つためにおすすめなのが「手羽元のスープ」。鍋に水、手羽元、乱切りにしたゴボウ、ニンジン、ダイコンのいずれか(ミックスしても可)と塩少々を入れてコトコト煮込むだけ。これを毎食前に飲みましょう
読者より 声に関する体験談