こねこのチョコレート
久しぶりに会った友人に家族や会社のグチばかり聞かされてげんなり…。誰でもグチをこぼすことはありますが、いつも聞き役だと疲れますよね。グチを言う人との上手な付き合い方とは? 読者の体験談とともに紹介します。
イラスト/ヤマサキミノリ 記事提供/京都リビング新聞社
母から父のグチが絶えず、同じことを何度も言うので疲れます。その際に『あんたの父親は』という言い方をするので私まで同類のような気持ちに(KY、39歳)
会うたびに近所の子どもたちやその親、スーパーなどのグチを言う知人。プラス思考の話がなく、会うのがおっくうになった(MT、47歳)
上司からそのまた上の上司のグチを聞かされる。部下としてはどうしようもないし、むしろどう相づちを打っていいのかも分からなくて困る(TS、47歳)
自分は不幸だ不幸だとグチる友人。でも話を聞けば聞くほど私よりずっと幸せそう。私は普通に幸せだと思って暮らしてますけど…(MN、61歳)
多くはストレス発散のガス抜き
「グチを言う人は、大きく分けると2タイプいます」と話すのは、京都文教大学 臨床心理学部 臨床心理学科教授で、産業メンタルヘルス研究所所長の中島(なかしま)恵子さん。
「真剣に悩んでいて、解決策やアドバイスを求めている人と、課題を解決する気がなく、ストレス発散のガス抜きで『嫌だなあ』という気持ちを吐き出しているだけの人です」
いつも同じ家族のグチを繰り返す、「会社を辞めたい」とこぼしつつ一向に辞めようとしないなど、聞いていると疲れてしまうケースの多くは後者だそう。
「ガス抜きタイプの場合、グチの原因になっている課題は解決されないので、しばらくするとまたガスがたまって、グチを言いたくなるんです」
マイナス思考で行動力に乏しい人は言いがち
中島さんによると、タイプにかかわらず、よくグチを言う人には共通点があるのだとか。
「一つは、マイナス思考であること。例えば、上司に仕事を頼まれたとき、『なんで私ばっかり』と思ってしまう人はグチが多くなりがち。『私の仕事が速いからだわ』とプラス思考ができる人は、あまりグチを言わない傾向があります」
そのほか、課題を解決するための行動力が乏しい、他者の価値観や良い面を客観的に理解するのが苦手、というのもグチが多い人の特徴だといいます。
一方で、いつもグチの聞き役として捕まってしまう人も。このような人には、何か共通点や特徴はあるのでしょうか。
「律義で優しく、人に嫌われたくない、ノーと言えない、上下関係に忠実な人が多いと思います。グチを言う人と聞き役になりがちな人は、課題を解決するための行動力が足りないところが似ているのかもしれませんね」
読者アンケートでも、家庭や職場、友人付き合いなど、さまざまなシーンで「グチを聞かされてうんざりした」というエピソードが寄せられました。反応や答え方に悩む人も多いよう。対処法は以下のリンク先で詳しく紹介しています。
教えてくれた人
- 京都文教大学 臨床心理学部 臨床心理学科 教授
産業メンタルヘルス研究所 所長中島恵子さん